エコラム                 
このページには会員が日ごろ考えたり、気づいたりしていることを書いています。

      
 

   

      平成30年 1月 

般若心経は誰のために説かれたか

                                                                                昔、東大寺の上司永慶師の「般若心経」に関する講話を聞いたことがある。よく知られている通り、262字という短いお経ですが、仏教の奥義を述べたお経で多くのお寺や神社でも読まれている。内容は観自在菩薩が「色即是空・空即是色」を悟られたことが説かれているが、今回は、このお経は誰に向かってお説きになったかを取上げた。「般若心経」の聴衆として想定されているのは、「人間だけ」でなく「生きとし生けるものを総称した衆生」である。

最近「環境を守る」ことが重大視されているが、環境とは何か?尾関周二環境思想・教育研究会編の入門書によれば、人間にとっての環境の場合、「自然環境」、「社会環境」を想定し、「環境保護のために何をすべきかではなく、環境との関わりにおいて私たちは道徳面も含めどのような存在であるべきか」を提起している。筆者は御釈迦様の教えの普遍なることを再認識した。
                             安田 淨

 

                 
 
          
20179

「放射性物質」を正しく知り、正しく恐れる

 

前回、エコラムを投稿した翌月のH276月、バセドウ病治療薬メルカゾールの副作用で入院、
特効薬が使えなくなった対策として「放射性ヨウ素服用治療」を受けました。

活発すぎる甲状腺機能を抑えるため、あの「放射性ヨウ素131」を服用、選択的に甲状腺へ吸収されたヨウ素131が出す放射線で甲状腺を叩く、というちょっと荒っぽい治療です。

たった1回、風邪薬ほどのカプセル剤を飲むだけ。放射線の効果は数ヶ月かけて現れ、心配した甲状腺機能の下がり過ぎはなく適正値となり、普通の生活が送れるようになりました。

服用後数週間、「妊婦や子供に近寄るな」「トイレは複数回流し排泄物を徹底的に流すこと」
「ショッピングセンターの防犯装置が放射線で誤作動する」などに注意する生活を強いられましたが、「痛い」「苦しい」「髪が抜ける」「鼻血が出る」などは一切なく、癌の発生確率が上がることもないそうです。

服用したヨウ素131500MBq(メガベクレル)相当。食品1kgに設定された基準値の500万倍もの量でした。薬は毒といいますが、病気を治す=健常者の健康を害する、にはそれだけの量を要します。

私は今回、放射性物質の服用で改めて関心を持ちましたが、社会全体にはまだ「放射能」=「危険」「怖い」「目に見えない」というイメージがあり、原発事故後6年半経っても、福島県産品への風評被害、避難児童へのいじめ問題、始まった帰還への非科学的な批判は絶えません。

これからも続く原発事故の始末や、放射性廃棄物の問題に向き合うには、多くの人が「放射能」
「放射性物質」を正しく知り、拒絶でも無批判でもなく「正しく恐れる」ことがより大切になる必要があるでしょう。

ただ、「核戦争の後」という新たな課題は含まれないことを願うこの頃です。

 

                                石川正年



      平成298

鰻                

 暑い日が続きますが,お変わりありませんか?私は鳥の調査のため外にいることが多いのですが,さすがに夏の土用は応えます.

 土用と言えば鰻.きっかけは平賀源内のキャッチコピーと言われますが,合理性がなければ長年続くこともないはずです.江戸期のように宗教上の理由から,動物性タンパクが不足する事が多く,さらに保冷技術が未熟だった時代は理想的な食材だったと思います.その栄養だけでなく,鰻の丈夫さから,長距離の運送にも耐えれ,高密度で飼育することで,夏場でも内陸部まで動物性タンパクの重要な供給源であったことが大きな要因かと思います.その合理性に裏打ちされて,飼育や調理法が洗練され,鰻料理は日本を代表する食文化の一つとなったと思います.

 しかし,成人病を引き起こすほどの動物性タンパクと脂肪があふれて,冷蔵庫や冷凍庫のない家庭は見ない現代では,昔ほどの合理性は無いと思います.種の絶滅が危惧されていることを考えると,食べ続けること自体が不合理のようにも思えます.

 鰻一本,あるいは主体としての店で伝統食というのは解らないでもないのですが,コンビニや牛丼屋での鰻って,伝統でしょうか?河豚料理のように鰻を扱う店も免許制にして,流通過程が明確なもののみにする規制があってしかるべきかと思います.

 そのくらいのことができなければ,生物種や多様性の保全って,可能でしょうか?

 

 




平成29年 7月

                 

京都大学農学研究科附属農園見学会に参加して

 

 私は本年5月26日に当協会主催の京都大学農学研究科附属農園見学会に参加しました。
JR奈良線木津駅から東へまっすぐ徒歩20分ほどの住宅地の中に附属農園があります。

 私は熱エネルギーシステムについて興味が有りこの見学会に参加しました。当農園は400kwのシリコン型太陽電池だけでなく、都市ガスを熱源にした燃料電池による電力、温水および二酸化炭素まで再利用する画期的なエネルギー供給施設を採用し、トリジェネレーションシステムと命名していました。この施設を温室などに適用した環境負荷の少ない農業生産技術の開発が重要テーマでした。
イチゴやバラ棟では日照時間、温度、湿度、点滴灌水、二酸化炭素の制御法を研究し、特に二酸化炭素濃度を600〜1000PPMに上昇することで、どの程度収量アップできるかの研究もされていました。

 また、温室の屋根や側面に透過光型有機膜太陽電池(OPV:作物に必要な波長の光は透過する有機膜)を一定間隔で貼り、電力を回収するとともに必要な光量は透過することで太陽エネルギーを効率的に利用するシステムとの説明を受け、興味をそそられました。トマト棟では京都大学育種の“京てまり”と名付けられた単為結果性トマト(受粉、受精なしに果実ができるトマト)の冬期低温栽培の技術開発等を見学しました。

 5月末はイチゴの収穫は終わっていて少々落胆しましたが、トマトの方は少し残っていたので試食させて頂きました。大学で栽培されているので安心して美味しく頂きました。

 この見学会でもっとも感心したのは食糧自給率(カロリーベース)40%の我が国にとって地球温暖化で悪役扱いされている二酸化炭素を直接有効利用して野菜や果実の収量を増加させる研究です。この研究成果が実り多いものになることを期待したいと思います。

 最後になりましたがご案内頂いた京都大学農学研究科附属農園の北島教授ならびに見学をお世話して頂いた池田会員に深く御礼申し上げます。               

坂上正美

    平成29年6月                       

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湖沼・河川の富営養化の元凶としてリン(P)が問題視され、脱リン洗剤の普及や下水処理場での高度処理(窒素、リンの除去)化等が行われてきたが、現在では、そのリン自体がいずれ枯渇するかもしれない、という状況になっている。

すでにアメリカや中国ではリンは戦略物資として、リン鉱石の他国への輸出禁止や輸出制限措置をとっている。ほぼ全量輸入に頼っている日本では枯渇の影響は深刻であり、リン資源リサイクル推進協議会やリンアトラス研究所などが、この対策として何をすべきか、何を国に提案していくべきか種々の議論をしている。

リン使用量の内、生命維持に関わる割合は75%である。具体的には植物生育のための肥料、家畜生育のための飼料等に使われている。一方、自動車や電子部品、プラスチックの他全産業に微量ずつながら必須の原料として使用されるリン(産業用リン)の割合は25%である。リンの枯渇を防ぐため種々の回収方法が提案されているが、産業用リンには高純度のリン若しくはリン酸化合物であることが要求され、専門家に任せざるを得ない一面がある。これに対して、生命維持に関わるリンについては、例えば、家庭から出る食物残渣のコンポスト化・肥料利用等による化成肥料の低減など、私たちが身近にできる枯渇対策もある。

近隣のし尿処理場や下水処理場では、廃水中に含まれるリンをリン化合物(肥料利用)として回収するプラントを設置する例もある。事業としての可能性は低いものの、資源循環・環境保全の視点から、リン回収の意識が向上する時が来るのではと思っている。

                               一瀬 正秋

                                                                 平成29年5月

み ど り の ま ち づ く り

 

私は2011年から奈良市立佐保小学校で毎年5年生の子どもたちのビオトープ学習をお手伝いさせていただいています。ビオトープとは、「色々な場所で、色々な生き物が、みんなで一緒に、そこにふさわしく健やかに生きることの出来る場所」と位置付けています。

子どもたちには、校内に造った水辺のビオトープやバタフライガーデンでの生き物観察や、草花等の植付け、清掃などを通して、いのちの大切さや共に生きるための工夫などを感じてもらえたらと思っています。

ビオトープ学習にはもうひとつの目的があります。それは、学んだビオトープの考え方を自宅や近所の公園などにも取り入れて、ささいなことでも実践してみるということです。

ビオトープという考えによってつくられた「みどりの空間」は、多くの生き物にとって住み易い環境です。それは即ち人にとっても良い、豊かな環境であるはずです。

「みどりの空間」は窓辺の花瓶やベランダのプランター、庭、外構、公園、緑地、街路樹、里山、山林と様々な領域を持ち、それぞれが連続して(つながり合って)まちをつくっています。そしてそれが景観をつくり、快適性を生み、防犯・防災機能をも果たし、さらに様々な福祉や健康、青少年育成、自己実現などに資する活動の場であり、地域の課題を解決するひとつの場になり得る可能性を認識したいと思います。単に植物があるだけではなく、そこから生まれる多様な価値を見つめるべきかと考えています。このような「みどり」による「まちづくり」が多くの町で実践されることを願い、それに関わって行きたいと思っています。

 

                       室賀 泰二

平成29年4月

 

斑鳩の里の田園風景と持続可能な社会

 

世界遺産法隆寺、法輪寺、法起寺の三塔を結ぶ斑鳩の里の田園風景は、私たちに癒しを与えてくれます。

斑鳩町では、2006年度から耕作放棄地解消と地域活性化の取り組み「斑鳩の里・農と食の活性化プロジェクト」菜の花とそばの栽培が始まりました。いかるがの里・自然クラブは、斑鳩町から委託を受け、農業委員会と観光産業課(現・建設農林課)と共に特産品“菜種油”を作りました。2010年度10月からは、農業委員会と建設農林課で栽培、いかるがの里・自然クラブは小学校で子どもたちと菜の花の栽培を始めました。

菜種油などの廃食油を使って、BDF(バイオ・ディーゼル燃料)を作り地域で使用する「菜の花プロジェクト」の実現を目指して、いかるがの里・自然クラブは、広く活動を展開、2009年度にはBDFが実現し5月からごみ収集車5台が走りました。(現在では鳩水園の燃料NEF“ニューエネルギー
燃料”として使われています。)

斑鳩町では、2007年度から公園の枯葉などの堆肥化、2009年度から生ごみの堆肥化(現在では世帯数の半分5000以上が参加)これらの堆肥は「斑鳩の環」として20L=200円として販売されています。2012年にはごみ焼却場を廃止、2015年度から小学校4年生に、ごみ分別博士養成講座も開催。ごみゼロ、「歴史とエコの里」を目指して取り組んでおられます。

環境教育では、2006年度から4年生に、いかるがの里・自然クラブが“循環型社会”を目指して「菜の花農体験と環境教育」を、2014年度から3年生に“自然共生社会”を目指して「農と食とエコ」〜生物多様性〜を実施。2016年度からは5年生に、エコルガ(斑鳩町地球温暖化防止推進協議会: 奈良ストップ温暖化の会担当)が“低炭素社会”を目指して「地球温暖化と私たちの暮らし」を実施しています。

協働のまちづくりでは、2016年度から、いかるがの里・自然クラブと三町自治会の有志が「斑鳩の里・農と食の応援プロジェクト」を立ち上げ、環境と経済と地域を繋げる活動を始めました。

微力ですが、斑鳩の里の田園風景が守られ、「持続可能な社会」が築かれることを願って活動しています。

 

武田悦美

                    平成29年3月          

地域の環境改善への取組みの一歩

 

私の住まいのある生駒市では平成19年から21年にかけて生駒市環境基本条例に準拠した環境基本計画づくりが市民、行政の協働で実施されて、まちのビジョンを「豊かな自然と歴史と未来が融合したまち いこま」として、平成213月に計画が完了、更に生駒市環境基本計画推進会議(ECO−net生駒)を設立して展開しており、当協会も賛助会員に登録しています。

当初、18の重点テーマを設定して4部会で推進、これまでに雨水利用タンクを全幼稚園、小学校に配置して環境学習に活用したり、生駒市の全スーパーさんと生駒市、ECO-net生駒が環境協定を結んで奈良県初のレジ袋有料化に踏み切りました。また市内の身近な歴史や景観面の見直しのため、よこみち歩きを実施、龍田川流域や生駒山の自然観察会や生き物調査と共に多彩な活動が展開されています。また、エネルギー分野では、「省エネと自然エネルギーで快適に暮らせるまち」を目指した取り組みを推進、エネルギー部会のメンバーを中心に「一般社団法人市民エネルギー生駒」を設立し生駒市の公共施設エコパークの屋根や新設の南こども園、福祉施設の斜面に太陽光発電所3(出力計167キロワット)を全額市民出資により設置し順調に稼働を続けています。地産地消の自然エネルギーを増やしながら、収益を地域に還元する一歩となりました。

なお、「環境と社会に良い暮らし」の取り組みを表彰する環境省の「第4回グッドライフアワード」において環境大臣賞優秀賞を、また新エネルギーの導入普及を進めた企業や団体に贈られる「新エネ大賞(経済産業省後援)」では「新エネルギー財団会長賞」に選定されました。生駒市は平成26年に国の環境モデル都市に指定されており、中長期的に循環型低炭素都市を目指した取り組みを進める計画であり、この推進支援は環境カウンセラーとしての重要な役割りだと思っています。

 

                      楠下 孝雄

                   平成29年2月

 

私たちの生活と森林〜「地球環境を守る森林」〜 

                 

 奈良県には、宇陀地域を源流とする木津川(淀川)、大和高原を源流とする大和川、高見山や大台ケ原を源流とする吉野川(紀ノ川)、大台ケ原や大峰山地を源流とする北山川・十津川(熊野川)と大きく分けて4つの河川があり、それぞれの上流域には豊かな森林があります。森林は土砂災害の防止やきれいな水を作るほか、地球温暖化の原因の一つである二酸化炭素を吸収したり、いろいろな生物のすみかであったり、人に潤いや安らぎを与えるなど様々な役割を果たしています。

 日本の多くの森林資源は成長した木が利用されず、世界中から木材を輸入している状況の中、熱帯林を保護し、国内の森林を活用することが望まれます。また、森林を育て自然を守るためには人の手を加えることが必要です。森林を増やすだけでなく、木材を有効に利用することにより大きな環境問題である地球の温暖化を防ぐことに繋がります。

昔から 山が荒れると山崩れや洪水などの災害が起こるので、木がなくならないように森林を育て利用する技術と森林を修復する技術など、森林の大切さを学んできました。

日本の川は、川の長さに比べ高低差が大きいので土に浸み込む限度を超えて降った雨が、地中を通らずに地表を走り急な流れとなって河川に入ります。昭和57年に起きたJR王寺駅周辺の洪水時には生活機能が広範囲に麻痺し、食料支援のために 川となった国道168号をボートで漕ぎ、王寺小学校まで届けられていました。

 奈良県の面積の5分の1を占める十津川村は96%が急峻な森林です。平成23年秋の紀伊半島大水害以前から林業振興や6次産業化などをすすめられていましたが、被災し、山を守ることが村民を守り、ひいては地球環境を守るのではないかと林業再生に村の未来をかける取り組みが行われています。

 イオンモール橿原内の「十津川の森 木灯館」で年間を通じて、十津川の木に触れる 森に触れるイベントを企画し、村内林業体験や木工体験などを開催しています。1次産業である林業の「植えて→育てて→採って→植えて」という循環は、都市部の木材消費と山村との共生を目指してすすめられています。

 現在社会では日常生活の中で森林や林業に接する機会が少なくなっているので、微力ながら様々な体験活動を通じて森林と人々の生活や環境と関係を深める「森林環境教育」の取組をこれからも推進していきます。

 

                                  川辺 惠美子

                                                     平成29年1月

                        奈良市には市民放射能測定所があります
                                                      https://naracrms.wordpress.com/

2011年の東京電力福島原子力発電所の事故後、市民でお金を出し合い日本製の放射能測定器を購入し、事故後、2年目の3月に開所しました。週に3日ほどメンバーが交代で測定をしています。

チェルノブイリ事故後も大阪で市民がお金を出し合って測定が始まったことを思い出しました。1989年にソ連から帰国した友人から、現地で紅茶をいただいたからといっておみやげをもらったことがあります。チェルノブイリ原発事故のことが生々しく記憶にあり、おみやげの紅茶を測定してもらったことがあります。その時の値はすでに忘れていますが、NDではなく2桁の値が出ました。日本の輸入基準以下ではありましたが、飲むことはできませんでした。

そんな記憶がよみがえり、福島原発事故後は、食料の測定は必要だと思い、会員になっています。測定できるのはγ線のみとすべてではありませんが、指標になると思っています。もちろん、チェルノブイリ由来や、1950年代に多く行われた核実験由来のものも測定されています。福島原発事故由来の放射能であるかどうか、どの程度影響を受けているのか、食品の添加物や農薬を気にするように放射能にも注意を払うようになりました。

                                                                                                        堀田 美恵子

                        平成2812

奈良での市民共同発電所づくり15年を振り返って

 

2002年9月に奈良で市民共同発電所をつくろうと思い、“サークルおてんとさん”を立ち上げ、来年は15年になります。また、2013年には“おてんとさん”の法人化と同時に「一般社団法人地域未来エネルギー奈良」として市民ファンド対応やさらに幅広い活動のための法人を立ち上げました。

振り返れば、再エネを取り巻く状況は、福島の原発事故以降、国のエネルギー政策とともに大きく変わり、私たちの活動も変化を求められ続けました。

2002年当時、私は生協の理事であり、新店舗(コープ朱雀)建設計画が理事会にかかっていました。21世紀にふさわしいお店にするために市民(組合員)の力で再エネを積極的に導入したいという提案をしていましたが、当時は、太陽光発電は見返りがない大変高額な投資であり、厳しい競争を強いられる店舗には採用されることはありませんでした。

しかし、特別養護老人ホームあすなら苑(大和郡山市)の前理事長のご賛同とご協力の元、その屋根の上で1号機(太陽光発電設備20kW)がNEDOの半額助成と寄付金で総額1830万円をかけて作られました。現在新たな市民共同発電所の建設準備に入っていますが、太陽光パネルの価格が大幅に安くなったと実感しています。私が関わる市民共同発電所は、今回、奈良県内で6カ所目(合計110kW)となりますが、すべて資金の調達方法が異なります。20127月には固定価格買取制度(FIT)が導入され、その後、買取価格が下がる中で、FIT導入前の寄付を集める手法から、出資配当型へ、そしてまた建設協力金+寄付型に戻ります。資金調達方法は変わっても、市民共同発電所にお金を投じてくださる方たちの思いは変わっていないと感じています。

今では、生協もほとんどの事業所の屋根の上に太陽光パネルが載り、全量売電しています。買取価格の低下とともに、電気を「売る」より「買う」方が高い事例も発生し、自己消費して余剰は蓄電池や電気自動車で使うようにもなりました。地元の人とともに東吉野村では小水力発電も手がけ、木質ペレットストーブも全事業所に配置するようになり、そして子会社が電力事業にも参入するようになりました。

奈良県内では、送電線に繋げない場所も出てくるなど課題もでてきており、時代とともにめまぐるしく変化しています。今まで通りの市民や子どもたちへの啓発事業、地域のバイオマス熱利用など再エネを通じた活性化を願い、広がったネットワークと知り合った様々な方々のお力をお借りして活動を続けていきたいと思います。

                                清水順子

 

2016年11月

原子力発電所の安全性向上と早期再稼働に向けた取り組みの状況!

 

温暖化対策にかかる新枠組みの「パリ協定」は近く発効する見通しである。

 

・エネルギー自立率5%の日本は2030年度には原子力発電をベースロード電源と位置づけ、原発電源比率を20~22%と策定した。

・原発を稼働するにあたって福島原発における事故の教訓から各地で停止している再稼働予定の原発では周到な地震、津波対策を行っている。具体的には更なる安全性/信頼性をめざした新規制基準(深層防護の徹底)、良好事例、新知見の対策を採用するようになった。その状況の一部を紹介したい。

・泊原発では16.5m(福島の津波15m)の防潮堤に嵩上げし、各建屋出入口は水密扉に改善し、2.12kmの森林火災帯設置、竜巻対策、外部電源ルートを多重化、バックアップ電源(空冷)を追設し、水供給ポンプの多重化/多様化、給水タンクの高台設置、水素爆発防止装置設置、放射性物質拡散抑制放水砲配備等がされていた。(北海道電力の株主総会資料から)

  ・美浜原発では11.5m、大飯原発では8mの防波堤に変更し、そのほかは両原発とも外部/所内 電源の強化、海水取水手段の多様化、炉心の直接冷却手段の多様化、各種給水ポンプを設置する等安全対策は従前より向上していた。(8月、9月視察)

・安全対策済みの原発から安定したエネルギーの確保、CO2削減の観点から早期の再稼働を期待している。

                            <千葉佳一>




  2016年10月

                                               高速増殖炉「もんじゅ」の行方

政府は921日に原子力関係閣僚会議を開き、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の廃炉を含めた抜本的見直しの方針を決めた。「もんじゅ」は、軽水炉原発の使用済みウラン燃料からプルトニウムを抽出し、再び燃料とする原発で、燃料が増える「夢の原子炉」と期待され、19944月に運転を開始した。しかし199512月に二次冷却系からナトリウム漏れ事故を起こし、事後処理の不手際から今も停止している。2012年に原子力規制委員会から1万件もの点検漏れが指摘され、対策漏れが残り201511月に「抜本的見直し」勧告を受けた。既に1兆円を費やし、毎年200億円が要ると問題視されている。「もんじゅ」は、運営主体の日本原子力研究開発機構の士気と能力が問題のようだが、技術的には世界唯一の高速増殖炉原型炉で、先端的でもある。専門家は、先端技術は経験を重ね改良が必要、と言う。

今世界は原発増設に向かい、100万kW級原発400基が、15年後には更に200基(中国など)増えるとされる。温暖化効果ガスは世界で年300t-CO2排出され、一方自然吸収力は年110t-CO2で、地球温暖化防止のため2050年までにCO2排出量の80%削減が必要とされる。勿論、再生可能エネルギーは増やしても、原発は必須である。エネルギー確保は、先の世界大戦が石油争奪戦と言われ、国の命運を左右したが、このことを考えれば原発は重要である。プルトニウムの高速炉は30数年前からフランス、日本、ロシア、インドが開発運転し、最近中国も運転を始めた。有害プルトニウムの活用とウランの100年後枯渇に備え、世界は2025年頃から高速増殖炉の開発競争に入ると見られる。「もんじゅ」に関する規制委の指摘は本質でなく、書類不備の、「自動車のバックミラーの裏のホコリ」類と言われる。最先端技術「もんじゅ」は、反原発の心情で判断せず、運営者組織を改善し、安全性を確保し、廃炉にしてはならないと思う。

西田 輝彦

  

 平成289

防災拠点と再生可能エネルギー

近年、毎年のように台風(含む大雨)や地震等による自然災害の規模が大きくなり、被害も甚大なものとなってきている。不幸にもこのエコラムを書いている時にも台風10号による大きな被害が発生し、また先の熊本地震においても我が国は大きなダメージを受けている。

筆者は自然災害についてのメカニズムや防災に関する講義をも行っており、その受講者の関心の度合いも年々大きくなってきていると感じられる。また、国の施策である「防災拠点等への再生可能エネルギー等導入事業」(地震や台風等による大規模な災害に備え、避難所や防災拠点等に再生可能エネルギー等を活用した災害に強い自立・分散型のエネルギーシステムを導入する事業)にも参画しているが、我が国の地域の避難所や防災拠点の防災に関するインフラストラクチャーはまだまだ脆弱であり、避難所や防災拠点がその機能や役割を果たしていないことが多いと感じられる。現に先の熊本地震においても電気・水等のインフラストラクチャーがダメージを受け、多くの被災者の方々が避難所においても苦労されていたことはまだ記憶に新しい。

前述の様に再生可能エネルギーは、現在では地球温暖化防止のための二酸化炭素排出抑制対策だけにとどまらない重要なエネルギー源であり、かつ重要なインフラストラクチャーとなっており、国や地方行政の政策や施策としても推進されている。しかし、この様なインフラストラクチャーの整備は、国や地方行政の施設だけでは不十分であることは明らかであり、筆者がかつて経験した3.11の際に東京で帰宅難民となり一夜を明かした苦労からも「民間の商業施設や店舗等の防災拠点化」(一部の商業施設では拠点化されつつある)も同時に推進する必要がある。

今後も国や地方行政の施設の地域の避難所や防災拠点に対する再生可能エネルギー等を活用した災害に強い自立・分散型のエネルギーシステムの導入の推進だけでなく、同時に再生可能エネルギー等を活用した民間の商業施設や店舗等の防災拠点化の推進をも加速されることを切望する。

阪元 勇輝

                           平成288

短寿命気候汚染物質

〔世界がもし100人の村だったら〕は、視野に広がりを持てますが、実感はありません。
「あっそうか」で、ちょっと冷スイカを食べるか寝不足解消のためにお昼寝かも。
人は、思い出や恨みや懐かしさや後悔などで過去の心を引きずり、望みや陰謀や志や仕返しなどで未来の生きがいを胸に秘め、差し当たり、マズローの欲求の5段階で現実を生きています。他の生物には過去と未来はありませんが、遺伝子による過去の変化は、その生物の未来の増殖を適者生存で与えていますから、
やはり過去と未来はあるのでしょうか?
 人の過去と未来はその人に付随しています。ですから、その人には身近で分かりやすいものですが、世界は広すぎます。せいぜい〔世界がもし100人の村だったら〕を読んでの自己満足程度ではないでしょうか。飢餓や紛争の現地に行けば身近な「実感」ですが。いずれにしても、過去と未来が心と胸にある人類というのは、面倒くさいですね。地球温暖化が人為的と言われると、このめんどくさいのがウロウロします。
 先日、「短寿命気候汚染物質」の勉強会がありましたが、二酸化炭素削減に関する緩和策と調和策の今後は、ますます後出しジャイケンの感じがしました。小池さんは先出しジャイケンで都知事に当選されましたが。ところで、「短寿命気候汚染物質」ではエアロゾルが主役の一人です。
 なお、メタンの
CO2換算係数が21から25に変更されているので、留意が必要です。実はこの研究会で愚問を言いました。
「同じように放射強制力を根拠にしているのに、片や温室効果ガスで、こちらは気候汚染物質と言い方が異なるのは何故?」でも、エアロゾルの説明がメインでした。本当は、気候変動を地球温暖化と和訳していること(国民の危機感を削ぐこと)の是正をすべきだと思っているのですが。
ですが、たとえ短寿命であっても、気候汚染物質という和訳(実は直訳)は、私の心に満足感を与えて、秘かにほくそ笑んでいます。                             
   
                                   吉  

 

                              平成28年7月
        地球規模のプロジェクトの一員として 
 
 さて、昨年
12月にパリで開催されたCOP21で、温暖化を工業化以前からみて摂氏2度未満に抑制するという画期的な「パリ協定」が、気候変動条約締結国196ヶ国すべてが参加して締結されました。それを受けて各国は、2030年までにどの程度の温室効果ガス削減を達成するかの目標を国連に届け出ています。日本も2030年度に、2013年度比26%削減することを国際的に公約しました。    それを受けて、「地球温暖化対策計画」が513日に閣議決定され、その内容については環境省のホームページやいろんなメディアを通じて会員の皆様もよくご存じのことと思います。今回の計画では、電力をどのように作るか、すなわちエネルギーミックスをどうするかの点では、原子力発電による発電量を20〜22%と見て、電力のCO2排出係数を決定し、家庭及び業務部門での削減量40%のうち26%を当てているなど計画の実現には不確実性はあります。それでも、できることから始めなければなりません。

最近、ある製造事業者様の経産省への省エネ補助金申請のお手伝いをさせていただき、無事交付決定をいただいたところですが、産業機械の高効率化には目を見張るものがあります。今回はボイラー、変圧器、空調、照明、VOC焼却炉等を含む既設設備更新の案件でした。

政府の計画では、産業部門や、家庭及び業務部門それぞれに具体的な削減目標とその削減手段がかなり詳細に纏められており、今後これらの実現には補助金や税額控除などのインセンティブを与える政策や、一部法規制強化も図られる可能性があり、環境カウンセラーの役割がますます求められると思います。大げさに言えば、人類の存続をかけた地球規模のプロジェクトチームの一員として、気概を持って頑張らねばと、気持ちを新たにしております。

                                    橋本 武一

 

 

平成286

大 震 災 に 思 う

   熊本・大分大地震が発生してから約1か月半が立ちますが、復旧はまだ道遠しとの状況で人々の苦労はいかばかりかと察せられます。このような大震災では数多くの問題が発生しますが、その中で上下水道、電気、ガスなどのライフラインの確保と災害廃棄物の処理・処分についても常に発生する大きな問題です。
   阪神・淡路大震災、東日本大震災など数々の震災においてこの問題は繰り返されていますが、いまだに根本的な解決は見受けられません。今後30年間のうちに約60%の確率で発生するといわれる南海トラフ大地震では果たして大丈夫なのか心配されます。
   
] 水がなければ人間は1日たりとも生きていけません。緊急時の飲み水などはペットボトルや給水車で確保できますが、生活用水は上水道施設の稼働が必要になります。トイレなどの汚物、汚水や雨水などは下水道施設が機能しないと処理できません。通常の社会生活を営むためには上下水道は欠くことができません。上下水道は基本的に公共施設ですが、耐震化率はまだ
3040%程度なので、国および地方自治体にはできるだけ早く100%の耐震化を成し遂げてもらわなければなりません。

   電気、ガスを供給するのは民間企業ですが、現在は独占化された大手の企業が日ごろの耐震化と震災における被害の復旧に責任をもった対応をすべく公共的な役割を担わされています。特に電気の場合、現在の地域電力会社は安定供給のため十分な予備電源を有しており、また地域間のネットワークも持っていますので、十分とは言えませんがかなりの場合の対応が可能になっています。ただし今後自由化によって多くの企業が参入し、激しいコスト競争に晒された場合、各社は耐震化対策に十分なコストがかけられず、将来にわたって脆弱になっていくのではないかと危惧されます。

   大震災時には一度にその地域の数年分にあたる膨大な量の災害廃棄物が発生し、その処理・処分は簡単な問題ではありません。処理の拠点となるのは市町村の清掃工場であり、処分には最終処分場の確保が重要になります。阪神・淡路大震災の時は大阪湾にフェニックスという大規模の広域処分場があったので災害廃棄物の運搬、処分が迅速に行われしっかりとした処理も行われました。現在関西には十分な容量を持つ処分場はなく、また奈良市の場合、清掃工場が老朽化していて非常に懸念される状況になっており対策が急がれます。

  大震災によってライフラインが遮断されると人の命にかかわることにもなりますので、耐震化対策は非常に大切となります。そのためには効率だけを追うのではなく、計画的な準備と着実な投資と実施によって、来るべき事態に備えることの重要性を我々もしっかり認識すべきと考えます。

                                                                                                                                   村山 壤治

                              

                                       平成
285

今年の5月に伊勢志摩サミットが開催されますが、サミットといえば前回の日本での開催の洞爺湖サミットを思い出します。それは、サミットで使用される箸に関することでした。よりによって、日本には環境配慮で日本文化の典型でもある割り箸があるにもかかわらず、中国製の漂白した割り箸を使うという事になっているということを知りました。

これはいけないと、全国のいろんなメンバーに呼びかけ、最終的には吉野割り箸の地元である奈良県国会議員の力を借りることで、日本文化の象徴でもある日本製割り箸を使ってもらえることになりました。今回の伊勢志摩サミットは奈良県とは違い、環境に強く配慮している三重県での開催ですから、上記のような無様なことはないと信じています。

森林の育成に大変重要な間伐作業の結果発生する材を日本食文化の象徴でもある割り箸に活用することは森林保全上大いに意義のあることです。吉野杉一本のCO2摂取量は6.55kgといわれ、この量を1な〜ら単位と定義付けられ、45な〜らを奈良県の削減目標に定められたことや、推進キャラの吉野杉を角にした、まあるくかわいい「なーらちゃん」でさえ忘れ去られていることは大変残念です。

いよいよ日本が宣言しました「CO2削減26%」が始まります。これの達成は容易ではありませんが、県の「なーらちゃん」と奈良市の「るりちゃん」が大昔から奈良公園で演じてきた自然のリサイクル活動を今度は人間が見習って、奈良県の民官学が強く協力しあい、40%削減目標の達成に向かって、今から行動を開始しなければと思います。

今の美しい地球を子々孫々に伝えるために。

                                                                                              森田 正夫


平成28年4月

環境人材育成と環境教育の推進

  気候変動に関する「パリ協定」が採択され、世界共通の長期目標として温度上昇目標が2℃未満に設定された。我が国も2030年度に温室効果ガス排出量を13年度比で26%削減を決定した。達成に向けて、官民挙げて推進されるが、重要なことは「環境人材育成」である。何事も根本は「人」と言える。

 そこで、環境人材育成、アジア留学生への環境教育、地域貢献、社会人基礎力の育成等を目標に活動する「再生可能エネルギ−研究会」を高専で主宰している。以下に活動を紹介する。

小中学生には、科学体験フェステイバルなどの行事で、地球環境問題に関する講義から小水力発電キットの製作と性能実験による環境学習を開催している。高校への出前授業では、さらに地域エネルギ-資源活用による地域創生の視点も加えた。

会員学生は、小水力発電キットの部品製作、地球温暖化テキストの製作、水車キットの組立・実験の指導、講義、レポ-トのまとめ指導を担当する。また、小水力発電装置を開発し、成果を論文にまとめ小水力発電大会で発表もしている。我々が小水力発電装置を設置したフィリピンの地元市の訪問団の来校時には、片言英語による開発水車の説明で国際感覚の学習もしている。

  2050年に世界人口および温室効果ガス排出量の半分以上を占めると言われるアジアが「パリ協定」実現の鍵を握る。アジア留学生が母国に帰国後、低炭素化推進の中核人材になるよう、小水力発電を通じて学習・実践活動をしている。私も1月に、ミャンマ-を訪問して各省庁大臣、大学学長にお会いして環境人材育成に関する交流計画について意見交換もしてきた。

 上述の目標達成には、環境エネルギ-時代の担い手を育む、教育と熱意と実践力を併せ持つ、人材の育成にかかっている。微力ながらこれらの教育推進のお役に立ちたいと考えている。

 

                                                      宇野 浩

                                    

 


                                    2016.3


                                    化学工業界のレスポンシブル・ケア

    化学物質を扱う企業が、化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄・リサイクルに至る全ての過程において、自主的に「環境・安全・健康」に配慮し、活動の成果を公表し社会との対話・コミュニケーションを継続して行う活動を『レスポンシブル・ケア(Responsible Care)』と呼んでいる。1989年国際化学工業会が、この活動を世界的に展開することを決定した。

     現在、この活動に参加している我が国の企業は111社である。各社は、経営トップの宣誓と目標に基づいて、PDCA サイクルに沿って常にレベルアップを図っている。毎年、環境パーフォーマンス等の成果のみならず、汚染や事故・健康被害も「レスポンシブル・ケア報告書」として公表している。(社)日本化学工業協会レスポンシブル・ケア委員会(RC委員会)は、各社の成果をまとめて公開し、社会とのコミュニケーションの資料としている。国際大会、地域説明会、消費者・行政・学会との対話集会を定期的・継続的に開催して、ベンチマーキングし倫理観の醸成に励んでいる。

   1995年、日本に『レスポンシブル・ケア』が導入され、筆者もその活動の発起人として推進に携わったが、欧米のリーダー達から「レスポンシブル・ケアは倫理観醸成への旅である。」と教わった。ここ20年で、化学物質による汚染・事故・健康被害は、かなり改善されたが、消費者・使用者段階・下請け・中小企業や新興国への展開は、まだまだの感がある。また、温室効果ガス・マイクロプラスチックなどの環境影響のコントロールにまでには至っていない。厳しい競争社会にあって、経済性を確保しながら、環境保全に注力するには、人々がどれだけ倫理観を持ち続けられるかにかかっている。『レスポンシブル・ケア』が、倫理観醸成の一手法となると思う。他産業界もそれぞれのEMSを展開しているが、あらゆるチャンネルやネットワークを通じて、倫理観を人々に植え付けて欲しいものだ。

                                                     濱田 久直
                                                                 
2016.02.01

             環境教育(ESD)に想う

  云うまでもなく、教育は国家体系の基本であり最重要課題である事を否定する人はいないと思います。日本は明治維新以降、急速に国力が発展しましたが、その基礎には、時の政府が国民全員に教育を施した成果があったと思われます。それ以前の江戸時代は組織的な教育制度は一部の高級武士階級を相手にした「藩校」以外有りませんでしたが、意外と当時の一般町民、村民の識字率は、高く、世界最高レベルにあったと云われています。村の庄屋、横町のご隠居、僧侶の寺子屋、アルバイト的な貧乏武士、等がその役割を果たしていました。

   最近中国の爆買いが問題になっていますが、奈良にも多数の外国人を見かけます。彼らが故国に帰った時、自分の目で見た日本の現状(公衆トイレの清潔さ、街並みの美しさ、人の親切さ、列をなして並ぶ公徳心 等々)には驚異の感があるそうです(我々には当たり前と思いますが)。翻って、中国の現状(北京のスモッグ、黄河・揚子江の水質汚濁、全国的の土壌汚染、木材伐採による砂漠化 等々)を見ますと、そこにはかつての日本(四日市喘息、水俣水銀、イタイイタイ病 等)を見るようです。いずれその付けを払う時期が来るでしょうが、元の状態にもどるかどうか甚だ疑問です。これは、最近の日本も人の事は云えませんが、環境よりも経済性(儲け)を優先した結果です。

 外国人が大勢来日し、日本の現状を見てもらう事は、彼等に対しての最高のESD(と云うとおこがましいかもしれませんが)ではないでしょうか。

我々環境カウンセラーもその一端を担いでいるという誇りの意識(あなたの「志し」は何ですか----吉田松陰の言葉)を持つ事が重要です。正しく崇高な使命を担っていると云っても過言ではないと思います。

我々環境カンセラーも、もっともっと誇りを持ち、この一年のスタートを切りたいものだと思います。

 
                                                       松本 郁夫


                                             平成28年1月

                    御所市 「葛城古道」を、歩こう

                       

 日本最古の歴史書「古事記」の天孫降臨をはじめとする数多くの神話の舞台が、御所市の金剛葛城山麓一帯の扇状地に広がって居ます。そんな舞台の中心地をぬうように葛城古道が続いています。約13キロあり、1日で歩くのにちょうどよい旅程です。あの「山の辺の道」に対して、「西 山の辺の道」ともいわれています。古事記の史跡や伝承地が縦横に連なった葛城古道は古代文化の営みの跡が多くあり、恵まれた自然に触れることができます。

 まず、高天彦神社のある高天から。ここは、天孫降臨の際、神々が活躍した高天原ゆかりの地と言われています。大和盆地全体が日本国と思われていたころには、盆地を一望できる高台にあるこの地が高天原と考えられたのでしょう。ここにある「高天原旧跡地」という石碑は神社の前の杉並木とともに神秘的な感じを醸し出します。古事記を題材にした絵で有名な奈良県出身の画家「絹谷幸二」氏は、ここを舞台に「天孫降臨」を描いています。

 次に訪ねる、高鴨神社は、全国の加茂神社の総社で、京都の世界遺産の上賀茂神社、下鴨神社の本家に当たります。極彩色の装飾の流れ造の本殿は重要文化財です。

 そして、葛城一言主神社へ向かいます。ここは古事記の雄略天皇の項に記されており、天皇から名を問われ、「吾は悪事も一言、善事も一言、言い放つ神、葛城の一言主大神ぞ」と答え、天皇が平伏したとされています。そういう由緒から、松尾芭蕉も訪れたという樹齢1200年の銀杏の老樹があります。

 更に歩を進めれば、古事記に登場する仁徳天皇の妃「磐の媛」の故郷「高丘宮跡」が眺めのいい高台にあります。妃は古代豪族葛城氏の出身で北条政子、日野富子とともに日本3悪女の一人といわれています。

 このように、葛城古道は、歴史とロマンにあふれた神々の里にあるといえます。是非、自然環境が温存されている、ここを歩きに来て下さい。

 

                                          吉村 孝史

                                                    平成27年12月

 エ コ ラ ム 余 話

 電車やバスで一心不乱でスマホを操作したり、スマホを見たまま歩く人をよく見かけます。こういう状態が高じると、スマホに触っていないと不安になり、長時間使えないとパニックになるなど24時間繋がっていないと落ち着かないという「スマホ依存症」となって、もはや「平成のアヘン」とも言える段階になります。これに反してか、最近ではオフィスや家庭で使える「ボッチグッド」なるものが販売されています

  これは、常にスマホでなんらかの形で縛られている人が、繋がれていることに疲れ、一人の空間・時間を持ちたい、すなわち”(ひとり)ボッチ”になりたいという願望を持ち始めたことから、このような商品が開発されました。

 これとよく似た現象といえるかどうかですが、最近、生態系の中についても言えるのではないか、と思う記事を読みました。

  陸上でも海中でも生物にとって欠かすことのできない鉄分が海にとっては特に大切らしいのです。生物学者の長沼毅氏は「鉄分が海に入ってくると海の生態系が活性化されて魚介類が沢山とれるようになる。」と述べておられます。瀬戸内海の魚介類が豊富なことは有名ですが、これは陸上の川からと、中国大陸から吹いてくる風で運ばれてくる鉄によってもたらされるというのです。

 我々にとって花粉症や気管支炎等の原因となる厄介な黄砂が、海の生き物にとっては恵みの砂になっているかもしれないというのは、全く皮肉なことです。

 だからと言って黄砂を”良し”と考えることはもちろんできません。ただ現象を一面からだけ捉えるのではなく複雑にからみあった現象のメリット、デメリットをよく見極め、判断していく事の大切さを考えさせられました。

 

                                                                    中村 知子



平成27年11月 

マネジメントシステムの普及人

   エコアクション21の新規登録数の増加があっても既登録事業者の返納が多く、登録件数(H27年10月7,575件)は伸び悩んでいる。私は平成27年度もEA21の支援相談人を仰せつかったが、支援する前に支援対象事業者を探すことから始まるので実態はEA21の普及人である。

  これという会社を訪問し、事業者にEA21の認証取得のメリットをご理解いただくことから始まるが、メリットが解り難く、また事務量が増加するので、なかなか共感が得られず難儀している。
  ISO14001/9001規格が改正され2015年9月に2015年版が発行された。狙いは、より事業者の経営に寄与する規格への変更であり、実務管理のマネジメントから経営管理のマネジメントへの進化と言える。しかしISOもこの機に更に返納数が増加するのではないかと取沙汰されている。

  ドラッカーは、「マネジメントの根底には、人間の本当の幸せとは何か?と言う命題があり、それを踏まえた上で、よりよい社会を作る」組織のあり方と説く。10回EA21全国交流研修大会の事例発表でも「経営者が従業員と一体となって、企業価値の向上」に取組んでいた。 こうなるとEA21の支援相談人はマネジメントの布教者でなければならない。 

  稀であるが、気持ちよくお話させて頂だける事業者がおられる。それは、従来は意識していなかったが、ある程度事業が伸び、「他人から見られているという意識」をお持ちの事業者である。すなわち社内外からの目を意識し「公明正大」に努めておられる事業者である。

   明日もこうした事業者にお会いできることを願い、かつ楽しみにしている。   

                                 以 上

                                                                                                       安田 淨

 
                                         
平成27年10月

     原 発 雑 感 2

                               

 ぼやっとした記憶を頼りに、過去の「エコラム」を検索すると、「原発雑感」という記事を平成24年5月に臨時版として書いていた。その時に指摘したのは、停止中の4号機の事故に基づく「停止中の燃料保管の危険性」と電力需要が発電能力を上まわる事による「ブラックアウトの危険性」である。

 幸いにして事故は起こらなかったが、これは「ラッキー」であったのであって、私の危惧が間違っていたとは思っていない。また、事故の原因は、公式には「想定外の津波」とされているが、根本原因は、地震による電源の喪失より、冷却が不能になったことである。心ある関係者は、これらのこと知っていて、運転再開には、対策を講ずるはずである。

 細川元首相や小泉元首相等は、原発の再稼働に反対している。しかし、現存する原発をどうするかについては、述べていない。原発を無くし、その跡地を更地にしなければ、子孫に負の遺産を残すことになる。廃炉には莫大な費用が掛かるが、それを誰が負担するのだろうか。今の電力会社にはその能力は無いし、国民が税金や電力料金の上乗せで負担することは止めて貰いたい。原発は、建設費や廃炉の費用は高いが、運転コストは低いのである。既存の原発を運転して、廃炉の費用をプールするのが得策ではないだろうか。

                                                                                     中井 陽一

                           平成279月9日

戦後70年を迎えて

【脱亜論から】

福沢諭吉曰く

 「支那と朝鮮という仲間意識から脱出し、西洋の文明国、先進国と共に進まなければならない。隣国だからと特別の配慮をすることなく、国際的な常識と国際法に従って処置すべきである。悪友と親しく交わり、悪事を見逃す者は、共に悪名を免れない。心の中で「東アジア」の悪友を謝絶する

 「過去だけに拘り続ける支那と朝鮮の精神は千年前と変わっていない。近代文明のパワーゲームの時代に、教育と言えば儒教主義(共産主義?)であり、一から十まで虚飾主義にばかりにこだわる、上っ面の知識だけで実が伴わない。現実面では科学的心理を軽んじる態度ばかりか、道徳さえ地を払い消え果てて、残酷で破廉恥をきわめて非人道的である。国際的な紛争の場合でも、自らに間違いがあったかどうかを反省せず、悪いのはお前の方だと開き直って恥じることもない。」

 「現在の支那、朝鮮はわが日本の為に髪の毛一本の価値も、何の助けにもならないばかりか、この三ヶ国が地理的に近いがゆえに、欧米人から同一視される危険性を持っている。支那、朝鮮が専制主義の独裁政治をすれば日本もそうかと思われるし、彼らが法治国家でなく人治国家である事で、日本もそうかと疑われてしまう。支那人が卑屈で恥を知らなければ、日本人の義侠もその陰に隠れ、朝鮮国に残酷な刑罰があれば、日本人もまた人権意識がないと推量される。その影響が現実にあらわれ、間接にわが外交上の障害となっていることが、実に少なくなく、わが日本国の一大不幸と言うべきである。」

 

以上は130年前の明治18に著されたものである。

今日の中共・韓国は正にこの百年一日のごとしでは!

 

                              文責  佐保子


                                  平成27年8月1日           

             

 猛暑日や熱帯夜が続いていますが、これらに耐えるにはやはり体力が必要ではないかとつくづく感じています。熱中症に罹らないために「水分と塩」は切らさないよう気を付けていますが、寄る年波には勝てず、ぐったりです。とにかく無理をしないように気配りをしております。夕方には裏庭や周辺に打ち水をし、寝るときには窓は網戸だけにして、風通しを良くしています。この方法で、幸い睡眠だけは十分にとれています。

それにしましても、この暑さは、やはり異常ではないでしょうか。子供のころや、働き盛りの若かりし頃にはなかったように思います。経済活動が盛んになってからの現象に違いありません。特に今世紀に入って、中華人民共和国(以下、中共)の著しい発展が大きく寄与しているのは間違いないところです。多くのエネルギー、しかも炭素の多い形の燃料(石炭)、を多用する結果、現時点で年間C量換算3ギガトンものCO2を排出しています。全世界での排出量は最近では年間10ギガトンで、この調子だとあと30年で限界の820ギガトンになってしまいます。産業革命以降、既に520ギガトンが排出され、残りが300ギガトンだからです。その結果、地球大気の温度は、2℃上昇し(人の体温に例えれば4)、現在の平均気温15℃が17℃となり、気候の変動が今以上に激しくなって、海面上昇も伴い、地球上の生物に大被害を及ぼすことでしょう。

今年の年末にCOP21がパリで開催され、各国が削減目標を協議することになっていることはご存じのとおりですが、最大排出国の中共はGDPの原単位で2030年をピークとして6065%削減するとのことです。基本的には絶対排出量を減ずることが必要ですが、その意識は全くありません。とにかく強国になることのみが目的のようですから、仕方のないことかもしれません。日本はぎりぎりではありますが、あの前々首相の鳩ぽっぽが25%をついつい囀ってしまったことで、対2013年で26%削減を打ち出しています。

世界や日本の環境団体が中共に対して「排出量を減らせ」のプラカードを掲げ、デモをして、絶対排出量削減を強力に訴えてくれることを期待しています。

 

                                                                                                                                         森田 正夫


                           平成277

   「あったらいいなぁ」を形にする

陶磁器のごみを最終処分地に埋めたくないなぁ・・・・そんな単純な主婦の思いでスタートした活動も今年10年目を迎えました。10年・・・長かったような、あっという間だったような・・・感慨深い気持ちです。私たちの会のメンバーは90%以上が主婦です。なので活動内容も運営の形も全て主婦感覚。みんなの「あったらいいなぁ」をそのまま形にしていく。このスタンスは10年間全く変わっていません。最近すごく感じることはこの「あったらいいなぁを形にする」という活動のスタイルこそが10年間活動を楽しく、少しずつですが大きく、そして継続できてきた秘訣なのではないかと思っています。目の前にある「あったらいいなぁ」が1つ形になると、次の「あったらいいなぁ」が湧いてくる。すると次の「あったらいいなぁ」を形にするために活動し始める・・・その積み重ねが会の骨格をつくり、そして常に新しく活動が進化していく・・・・少しずつ少しずつですが・・・・
     
    10年前自宅の前に回収箱を設置してたった一人でスタートした活動が、70名を超える会員と共に行政との協働事業までさせていただけるようになれていること・・・・

 「あったらいいなぁを形にする」この運営スタイルの賜物だと思います。

 

                                     樽井 雅美


                                                       平成27年6月1日

 

原発再稼動を進める「確信犯」たち

 昨年の夏以来、著しく体調を崩し、華奢な身体がますます貧相となるような有様、しかし生活のために仕事を減らすわけにも行かず、日々朦朧とすごしており、NECAの皆様には連絡なく総会にも出席できずご迷惑をおかけしました。

さて、世間の動きを見る余裕もなく過ごしていましたが、最近は病の見通しも付き、少しばかり心に余裕を持ってニュースに触れられるようになりました。

相変わらず原発の再稼動については、議論が平行線のまま、再稼動が強引に進められつつあるようです。再稼動に反対する側は何が何でも反対という姿勢に感情的な面があり、それに対し推進側が経済的な理由を前面にゴリ押しするといういつもながらの構図。

私は以前にも書いたように、さまざまな問題を考えると原発をゼロにすることは大変に無理があり非現実的と思っているが、原発の稼動はもっと慎重であるべきと考えます。経済的理由を前面に推進する人たちは、どんどん増える放射性廃棄物をどうするつもりなのか。将来のことは全く考えていないのか。感情的な反対論さえ力で押切ってしまえばすべて問題は片付く、と安直に思考停止するほどアタマの悪い人たちが政府を取り仕切っているとも思えません。

「いつかとんでもないことになるが今はしかたない」と思っているのではないでしょうか。かつて戦争に向かっていく動きを誰にも止められなかったのと同じような破滅に向かう力が働いているのだとしたら・・・・異常な最近の暑さの下でも背筋が寒くなります。

 

           石川 正年


                              平成2752

              花のいろは遷りにけりな

 例年より多くの花をつけた庭の牡丹が、花をすっかり落とし、葉っぱと種だけになり、佐保山の山ツツジもいつの間にか見えなくなりましたが、続いて、「やすらぎの道」のツツジが一斉に咲き出し、紅、白そして薄桃色のこんもりとした艶やかな花が緑の葉によく映えています。笑っていた周りの山もその緑を濃くし始めました。佐保台住宅内のバス通りも、丸坊主の欅がいつの間にか枝を伸ばし、緑豊かな葉っぱを茂らせています。

 正に今、春から夏に移りつつあることを実感させてくれます。毎年同じ景色ではありますが、その時その時の見る景色にはその時にこそ感動させられます。

 花や木々、森、空そして風の色や薫り、これらに出会う度に感じることがあります。それはその不思議です。えもいえぬ艶やかな花や里山の木々の色は季節が来れば必ず生き物としてそれを誇示します。どこで、誰がこれを創っているのか、不思議でなりません。花により、木によって同じものはなく、しかも、同じように生きています。生かされているといった方が良いかもしれませんが。

  やはり、この水の惑星、地球上の生き物は奇蹟なのでしょうか。その地球が今まさに存続の危機に立たされていますが、人間以外の動植物はこのことをひしひしと実感しているに違いありません。この4月〜5月の雨、寒さ、暑さそして晴れの異常は花の咲く時期をずらせ、農家さんの苗植え付け時期を大幅に狂わせています。野菜の高騰にも。

  先日、日本政府は、年末のCOP21(パリ)を控え、地球温暖化の原因とされているGHG(温室効果ガス)の削減目標を、平成25年度をBM(ベンチマーク・基準)に平成42年度までに26%削減すると表明しました。数値は、あの「あほポッポ(鳩山某)」の個人見解発表25%に近くなりましたが。これの達成にはエネルギーのベストミックス達成に具体的な計画を立て、日本国民全員で取り組んでいく必要があります。訪米を成功させた安倍首相に期待したいと思います。

                                                     森田 正夫 

                                                  平成2743 

            花 粉 症 と エ ネ ル ギ ー 

   梅が終わり、各地で桜便りが聞こえる季節になりました。鳥も、冬鳥が北へ帰り、南から夏鳥が訪れる季節です。

しかし、軽度ではあるものの花粉症の私は、花見よりも鼻水が気になる頃です。花粉症の主因とされるスギやヒノキの植林に関して少し考え違いをしていたことに最近気がつきました。多くの本で、戦後の失業対策と木材不況に対応するための施策として述べられているのですが、もう少し根が深そうです。

 最近、「過疎と森林の生態学」菊池利夫 1971 を古本で入手して読んで驚きました。同書によると、既に昭和35年頃から中国地方の山間部では異常な人口減少と一家総出の離村が発生し、昭和40年頃には西日本全域の山村に広がったそうです。そして、その傾向は薪炭生産の比重の高かった地域でより激しかったそうです。石油や電気が普及する前は炭を売ることで現金収入を得ていた山村が、燃料革命により炭の価値が暴落し、地域経済が崩壊したとあります。

 私自身、調査などで行った山村で、かなり立派な家屋が朽ちているのを見ることがあります。耕地面積を考えると立派すぎると不思議に感じていたのですが、薪炭による収入もあったと考えると、納得できました。

  そして、この本の書かれた当時ではクヌギ天然林とスギやヒノキの人工林の経済的価値は6倍にまで開いていたそうです。その状況下では、山村の地域社会を維持するためにも、拡大造林という施策はやむを得なかったのかも知れません。 また、牧畜中心の大規模農業もこの時期に推し進められています。

  残念ながら、木材や乳製品などの輸入拡大により、上の施策は完全に裏目に出てしまったことはご存じの通りです。ただ、元を辿れば、燃料革命により、長年日本のエネルギーを供給していた薪炭産業が短期間に崩壊したことに端を発しているとも考えられます。安価で便利なエネルギーが使える現在、薪を燃やして涙を流す生活には戻れるとは思いませんが、料理や風呂の湯を沸かすことも身近な自然に支えられていた時代があったことを思い出しても悪くは無いと思います。多分、薪で米を炊いたり風呂を沸かすことを思えば、花粉症で流す涙は少ないかも知れません。 

                                                                                         藤田 泰宏 

                                                                                 
                                                        平成27年3月

                                                 
    地域を舞台にした「ESDいのちをつなげる教育」フォーラム2015

先月22日、標記のフォーラムに参加した。サブタイトルとして「地域総がかりでESD(持続可能な開発のための教育)をすすめるポイント」とある。

プログラム1:福井大学大学院教育学研究科の前園泰徳先生による基調講演「『あるもの教育』から『ないものを創る教育』へ」。関わる人々が積極的に行動して、環境の中に新しい価値を見つけ出し、楽しく、学び続けることが重要。そして、いつかESDが常識となってESDという言葉を無くすことが目標であると。

プログラム2:近畿24県のESD環境教育プログラムの取り組み報告。奈良県の事例報告として、私が係わらせていただいている奈良市立佐保小学校「佐保に生きる〜ビオトープを育てる」。8名の子ども達による立派な報告だった。

プログラム3:参加者全員を6つの班に分けてグループディスカッション。
  テーマは「どのようにすれば行動を変えられるか」。参加者は教育関係者が多く、なかなか上手く進められない現場の事情などが多く出されながらも「体験主義」「楽しさをつくる」「身近なところから」等が行動を変えるアイデアとして出された。わずか30分余りという時間制限もあって議論を深めることができなかったのが残念。前園先生からのコメント「教育者は指導者ではなく、コーディネーターであるべし。子ども達に『させる』のではなく、共に発見し、学べる状況をつくることが求められる」。

 さて、ESDはどれほど社会に浸透しているか。2014年の調査では認知度3%というデータもある。とかく社会は言葉の流行に流されやすい。ESDに関しては言葉の認知は不問として、この理念を社会化したいと思う。即ち、「常識のように実行し続ける、自己能力と環境力を開発(創造)するための生涯教育」である。文頭に書いたサブタイトル「・・・すすめるポイント」は「進める」ではなく「薦める」と読んで、多くの方々と取り組んでゆきたいと考える。

 

                                     室賀 泰二

 

 

                  平成272月4日

           日本人であることの幸せ

まだまだ、春は名のみの風の寒さですが、もう立春で、日差しも幾分柔らかく感じられるようになりました。節分では柊にイワシの頭を刺して、玄関と裏口に取付け、出入り口で「鬼は外、福は内」と豆を撒き、炒り豆を数え年に一つ足して頂き、そして西南西の方向を向いて恵方巻を頬張りました。寿司屋さん謀の恵方巻は別にして、豆まきは鬼を追っ払い福を招き入れ、柊のイワシの頭は悪霊が入るのを防ぎ、炒り豆はこの一年を無事に過ごせるようにと、昔からの習わしで、日本ならではの事と思います。日本は大変幸せな国ではないでしょうか。しかしこれは飽くまで日本国内に限った事のようです。「和をもって貴し」は一系での長い歴史を持つ民族であってこそあり得るもので、日本人としてこの世に生を与えられたことを今更ながら感謝しています。その心の日本人がテロの犠牲になりました。正に許し難い蛮行です。テロとは恐怖政治と言われますが、彼らの拉致、誘拐、虐殺、自爆殺人等の行動は全く理解できないものです。彼らは、勝手、気ままにというか、好き勝手に、やりたい放題にしているだけで、このような輩は殲滅しないといけません。

一応、イスラムとは言っていますが、聞いて呆れます。単に名前を使っているだけで、全く資格などありません。欧米の連中も非難、攻撃をしていますが、数世紀前までの欧米もこれと同じことをやってきたことは誰も触れません。北米でのインデアン殲滅、南米でのインカ略奪、インド、東南アジア、アフリカそして支那は、彼らにより占領、虐殺され、金銀宝石、資源を奪い取られ、植民地としてひどい搾取をやられてきました。それらが今の彼ら欧米の豊かさの元になっているのです。最近、性奴隷という言葉が作りだされましたが、アメリカでの黒人奴隷制度はごくごく最近まであったことを忘れさそうとしています。日本だけが、人種差別に抵抗し、解放してきた唯一の国です。彼等はこのことに触れられる事を極端に嫌い、日本を貶めることに熱心なのです。日本人であることにもっともっと自信を持ちたいと思います。

                                  (森田 正夫)

                               平成27年01月01日

 環境所感

低炭素、循環型社会モデルへの取り組みについて

  最近は地球温暖化の影響か、異常気象による集中豪雨や竜巻など気象の異変が多発して各地で多くの被害が出ています。これらの状況が続けば国土は荒れてゆき安心して居住出来る地域がどんどん減ってゆく事になります。この根本原因と言われている二酸化炭素の排出をできる限り早期に低減する必要がありますが基本的には原油などの化石エネルギーの使用を極力低減して自然エネルギー素エネルギーの利用に転換する必要があります。

 例えば車の世界では、燃費に優れた車両が開発されて、最近売れ行き好調です。自分の車をハイブリッド車に買い換えてほぼ燃費が倍になりその効果を実感しました。ガソリン車からハイブリッド車へ、また電気自動車へ、更に燃料電池車に切り換えていけば、CO2排出量が劇的に低減されます。すでに燃料電池車が一般向けに発売されました。またノーベル賞で話題になりましたLED

明はじめ家電や住宅の省エネルギー,創エネルギー型商品の選定、すなわち市民や事業者の選択(グリーン購入)次第で環境負荷は格段に低減させる事が出来ると言えます。

さて、私の居住している生駒市が昨年の3月に国の「環境モデル都市」に指定されました。具体的な取り組みはこれからですが、いかに低炭素型で循環型の社会に向けた活動を推進するか、各関係組織の連携を深めて効率的な仕組みを構築して、その結果、環境モデル都市の実現が可能になるものと考えます。

住宅地域としての環境モデル都市とはどういうイメージでしょうか。生駒には旧の町や新しい街、農村など多様な存在があります。安心で快適な街と共に歴史的風土の残った地域やゆったりとした田園風景も何物にも変えられない良さがあり、大切にしたいものです。 

昨年の5月に生駒と同時に環境モデル都市に指定された北海道ニセコ町を訪問しましたが5千人弱の人口でありながら長期的な展望で広大な自然や水源を大切に守っておられます。また今年の10月にはエコアクション21の全国交流研修大会で愛媛県松山市を訪問しましたが、すでに環境モデル都市として活動されており、緑豊かな自然の中で路面電車が明治時代から運行されている点などさすが計画的なまちづくりが継続されているなと感心した次第。いかに地域の特性をうまく保護し活用して環境を保全するか、やはり中長期的で計画的なまちづくりの重要性が分かります。

 生駒市環境基本計画は行政、市民、事業者、団体が協働で平成21年に計画し推進してきましたが、その総合ビジョンには「豊かな自然と歴史と未来が融合したまち いこま」を創りたいという思いがあります。今後、地域創生という流れもあり地域の活性化と持続可能性が議論されてゆく事になりますが、中、長期的な見方で将来のモデルとなる低炭素、循環型のエコロジー社会を創造する機会にしたいものです。

 

                                     楠下 孝雄

            平成26121

ESDEducation for Sustainable Developmen持続可能な開発のための教育)の推進に向けて
 
  1126日(水)に平成26年度環境カウンセラー研修(近畿地区)が近畿地方環境事務所の主催、NPO法人奈良環境カウンセラー協会が運営し、奈良県文化会館で開催された。当日は、近畿地区(京都・滋賀・兵庫・大阪・奈良)各方面から120名以上の環境カウンセラーの方が参加された。

今回の主テーマは、持続可能な開発(発展)を実現するために発想し、行動できる人材を育成する教育「ESD」である。「国連持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」の最終年にあたる今年、ESDをキーワードに環境問題に向き合う有意義な研修会であった。私たち一人ひとりが世界の人々や環境との関わりの中で生きていることに気付き、行動を変えていくことが必要であり、そのための教育がESDであると再認識できた。

 基本的な考え方・環境教育・エネルギー教育・国際理解教育・世界遺産や地域の文化財等に関する教育など、ESDは一国だけで達成できるものではない。また、個人から企業に至るまで幅広く環境対策がなされている我が国においても、必要な環境教育が行われているかと言えばまだまだ十分ではないと思える。ESD・環境教育を効果的におこなっていくためには、環境教育を担う人たちの資質の向上が欠かせない。

環境省から『環境白書』他や身近な環境問題についてわかりやすく解説した『こども環境白書』などが配布されている。『こども環境白書』は、毎年作成され、今年はESDをキーワードに子どもが環境問題と向き合い解決に向けて自発的に行動する手掛かりを紹介している。ESDとは、毎日の暮らしの中で考え・学び・気付き、そして環境問題に向き合う考え方と工夫をすることでもあると考える。
私たち環境カウンセラーは、ESDを基盤にした環境教育についての実務研修を重ね、質の高い効果的な環境教育・環境保全活動を実践できる担い手を育成することを目的としてESDを推進していかなければならない。

                                  川辺 恵美子


                               平成26111

 

            CO2削減と成熟した地域づくり 

私は奈良環境カウンセラー協会を母体とする『エコアクション21地域事務局なら』で事務局の担当をしています。その研修が先日松山(愛媛県)で行われました。

プログラムの一つにNPO法人サステナビリティ日本代表理事の後藤敏彦さんの講演がありました。 内容の一部に「アメリカと中国が、気候変動問題にものすごい勢いでとり組みを始めたのは見通しがついたからだと思う。日本は2050年に目標8割以上削減との閣議決定はされているが、2020年、その後も見通しが何も出来ていない。このままで行くと必ず世界から批判が出てくる。もちろん、日本国内でもさまざまな自治体が動き出している。来年のパリの気候変動枠組み会議では2020年からの各国の目標について議論されるだろう。今までは国がどうやっていくかが問題だったが、国の目標だけではうまくいかないので自治体や企業に努力義務的なものが打ち出される可能性がある。国の目標は企業や自治体が協力しないと達成できない。現在の日本は何もしていないので、後になればなるほど苦しくなると考える。自治体内のCO2をどう削減するかが問われてくる。」と言われました。

奈良県でも昨年からエネルギー政策課が設置されました。今まで奈良県のエネルギーは外部依存がほとんどでしたが、県内の自然エネルギー資源を使って、エネルギー自給をあげていく取り組みが始まっています。10月の始め自然エネルギーを進める会「サークルおてんとさん」主催の再生可能エネルギー施設の見学会がありました。県内のメガソーラー発電所や、木質バイオマス発電所の取り組み施設、小水力発電所の取り組みなどを見学しましたが、いずれも単なる発電のみではなく、防災や、地域興し、林業全体を見据えた取り組みになっていました。大きな可能性を感じました。

私たち市民はこの取り組みが単なるエネルギー事業ではなく成熟した地域作りと共にあると言う事を理解していきたいと思いました。

 

                                         堀田 美恵子


                              平成2610月01日

 

我が家の狭い庭に20年かけて多数の植物を植えてきました。
メインツリーはシナノミザクラ。3月中旬には花を付け、ゴールデンウイーク過ぎにルビーのような小さなさくらんぼが多数実ります。その周りに光の条件に合わせた植物を植栽しています。光が好きな植物、日陰が好きな植物、乾燥が好きな植物、湿ったところが好きな植物、適地であれば、植物たちはイキイキと範囲を広げていきます。
  カナヘビ、ヤモリ、カマキリ、コガネムシ、クモの仲間が生息し、クマゼミ、アブラゼミも庭から羽化するようになりました。昨年、今年は鹿の糞虫であるルリセンチコガネを庭で何度か見かけるようになりました。鹿が近隣に出没するようになったからでしょうか。
  スズメ、メジロ、ツグミ、シジュウカラ、ヒヨドリ、モズなどが訪れ、巣を作ってひなを育てる野鳥もいます。一部の虫たちは、私たち人間にとっては、丹精込めた植物を食べたり枯らしたりする「害虫」となってしまいますが、我が家ではなるべく農薬を使わない防除法で努力をしています。
  その中で、ツマグロヒョウモン、ルリタテハ、ナミアゲハは、イモムシの中でも我が家では観察用に別格に扱われています。ツマグロヒョウモンはスミレ類の葉だけを食べて蛹になり成虫になります。虫には食草が決まっているものが多く、ルリタテハはホトトギス類を、ナミアゲハはセリ科のイタリアンパセリを丸坊主にしていました。困った存在ですが、蛹から蝶になる変態は本当に不思議です。ツマグロヒョウモンやルリタテハの蛹はメタリックな神秘的な輝きを持っています。ツマグロヒョウモンは近年の園芸ブームで、スミレ科のパンジーやビオラを植える家庭や公園が増えたこともあり、それに伴い生息域を広げて来ました。
  近年増えてきた木の上でリーンリーンと鳴くアオマツムシは外来種。樹木で生息し、温暖化の影響もあり、街路樹とともに北に広がっていったと聞きます。人の活動がさまざまな生物に影響を及ぼしていることを我が家の庭を通して考え巡らせています。
  みなさまも一度植物に目を凝らしてみてはいかがでしょうか。小さな虫たちが懸命に生きています。

                                       

2014年9月1日

個人客で賑わう民間の資源回収施設

 海外ではよく見かけます個人客相手の資源買取ステーションを、日本ではあまり見かけないと思っていましたが、最近日本でも時々見かけるようになりました。日時が決まっている集団回収に資源を出すよりも、自分の好きな時に古紙やペットボトルなどを持参して換金するのがライフスタイルにあう人が増えてきたようです。また、ペットボトルや缶などの資源価格が高止まりしていることも、背景にあるものと思われます。

 東京都足立区の「資源ごみ買取市」を以前見学しましたが、次々と資源を持った人々が訪れていました。車に積んで持ってくる人ばかりではなく、新聞や雑誌などを自転車に山積みしてくる親子もいて、これも環境教育?と感心したのを覚えています。

 足立区の買取市は、区内のリサイクル事業者のストックヤードなどで行われ、区も関与していますが、愛知県津島市に昨年できた資源買取ステーションは、市が関与している様子はありません。買取ステーションには、古着などのリユースショップの他、おしゃれな「しげんカフェ」も併設されていると聞きます。しげんカフェは、モーニングセットも含め全品300円とのことで、資源を持参した人が、一休みしていくようです。近いうちに、見学に行きたいと考えています。

 そういえば、奈良県内にもユニークな取組をされているリユース・リサイクル施設があります。マツユキリサイクルさんの「着物工房あかり」です。着物は、古紙や古布と一緒に回収されますが、輸出できないため、障害者施設や被災地などに寄付されていました。しかし、それでもまだ残るので販売を始められ、最近では、おしゃれなリメイク品が販売されたり、リメイク教室も開かれたりしています。先日は、常連客らによるフリーマーケットが施設内で開かれ、着物をリメイクした洋服などが販売されていたようです。

 回収日を漫然と待つよりも、回収事業者の施設まで自ら資源を持って出かける方が、面白いことに出会えるのではないでしょうか。

<参考>

津島商工会議所ホームページhttp://tsushima-cci.or.jp/つし丸が行く!/ゴミをゴミでなくする暮らしを応援します!-/

足立区ホームページhttp://www.city.adachi.tokyo.jp/gomi/kurashi/kankyo/gomi-kaitorishi.html

マツユキリサイクルブログ http://ameblo.jp/matuyuki-r/entry-11764575773.html

栗岡 理子


                           平成26年8月1日                             最 新 の 省 エ ネ 住 宅 を 見 学 し て!     
   
    或る一級建築士事務所の依頼で県下の新築省エネ住宅の見学会に2日間立ち会った。

 そこでの省エネ住宅を客観的に評価してみた。改正省エネ基準は2013年10月から住宅を対象に施行され、この新基準では、地域区分、熱性能基準が改正され、外皮の性能基準、特に外皮平均熱貫流率(U値)基準と冷房期の平均日射熱取得率(η・イーター値)それに1次エネルギー消費量基準が厳しくなった。
 U値は建物から逃げる総熱量を外皮表面積で除し、値が小さいほど省エネ性能が高く、η値は建物に侵入する日射量を外皮表面積で除し、値が小さいほど冷房効率が高くなる。今回見学した住宅は「環境にも家計にもやさしいゼロエネ化住宅」で、断熱性・気密性を向上させた仕様や高効率の機器・装置によって消費エネルギーを減らし、太陽光発電により消費エネルギーと同等のエネルギーを創り出す設計になっていた。
 具体的には通風、採光を考慮した設計、窓の位置、軒,庇を工夫することで消費エネルギーを抑え、外気温の影響を受けにくくするための高断熱の躯体、最適な換気量に調整して余分な湿度を排出する計画換気の採用、断熱サッシと遮熱断熱複層ガラスによる高断熱、消費電力が少なく長寿命でスイッチの入切回数の多い場所に適したLED照明、夜間電力で湯を沸かしヒートポンプを組み込んだ高効率給湯器、高効率冷暖房機の導入、省エネ家電の採用、節水型トイレ、汚れにくく熱損失を減らした風呂、節水シャワー、節水型水栓キッチンと食洗機、蓄熱暖房機の設置、蓄電池追設可能な太陽光発電設備、外部通風口にPM2.5
対策のフィルター設置、等々を施した合理的な省エネ住宅であった。
 また当該住宅の「エネルギー消費削減量計算書」や「省エネルギー性能計算書」は適正であった。さらに施主の意向で2階は十津川村産の品質証明付き(含水率、ヤング率)材を使った住宅でもあった。
換言すると、2020年までの新築住宅の省エネ義務化を視野に改正された省エネ基準の省エネ住宅は着実に普及しつつあり、今後も大いに支援していきたい。また、主催者に対して、更に非住宅建築物(店舗、事務所等)の分野にも展開して実績を積むよう助言した。
 
  以上、見学会立合いについてであるが、感想としては、まだスマートハウス
(燃料電池,HEMS等を導入)とまでは言い難い。   

                (千葉 佳一)

      

 


2014年7月1日 

   「日本人はマナーが良い」と言われるが、欧州に長く住んだ私にはそうは思えない。先日の東京都議会での自民都議のセクハラ野次でも明らかなように、聞くに堪えない発言が稀ではない。また、高島市の環境センターが7年にわたって廃棄物のダイオキシン濃度を低く改ざん して神戸市沖の処分場に搬入していた件も、想像を絶する。

とは言え、私は、「日本人はマナーが悪い」と断じるつもりはない。日本にも崇めるべきマナーの人がたくさんいるからだ。例えば、サッカーワールドカップ・ブラジル大会の会場で観戦後にゴミ拾いをして帰った日本人サポーターの一団。要は、いかなる国であっても、その国の人をみんな良い人のように言うのは間違っているし、逆にみんな悪い人のように言うのも間違っている、ということだ。

マナーの話とは異なるが、例えば、中国のPM 2.5。時として日本にまで影響するのは迷惑だが、一番困っているのは中国だから放置はしないだろう。いずれにしても彼らの弱点であることに違いはない。一方、再生可能エネルギーの普及に関しては、中国は日本をはるかに凌ぐ。世界風力発電協会によれば、2013年末時点の風力発電装置の累計設置容量は中国が91.4GWで群を抜いて世界一。続いて米国の61.1GW、ドイツの34.3GWと続く。日本は僅か2.7GWで世界第17位。この日本の異常な遅れは電力自由化と発送電分離の遅れによると考えられる。この例が示すようにどの国にも強みと弱みがある。われわれにとって大事なのは、他国の弱点を洗い出すのではなく、出来るだけ他国の優れた点に着目し、そこから学ぼうとすることだ。

ドイツが進めるエネルギーシフトもその一つ。「あれは破たんした」などとこれまでに何度も揶揄されたが、進捗は順調。多くの国の手本になることを私は期待する。

                                                               藤澤 一夫

                                     平成2665

  ドイツのエネルギー政策講演を聴いて

  20145月末に奈良市地球温暖化対策地域協議会総会記念講演会で、大阪・神戸ドイツ連邦共和国領事のイェーガー氏による「ドイツのエネルギー政策」の講演がありました。分かり易い講演で、大変勉強になりました。ドイツは、2022年に「脱原発」で全原発を停止し、「再生可能エネルギー」への転換を進め、2050年に全電力量の80%を賄う計画です。「脱原発」はチェルノブイリ原発事故と廃棄物処理の不安から2001年に国策として決定され、経済的不利益のため実施延期が議論されてきたが、20113月の福島原発事故によって急に実施が決まったようです。「再生化可能エネルギー」への転換により、電気料金が高くなっているが、技術進歩により次第に下がっており、化石燃料価格が高騰し従来発電のコストも上がっているので、将来逆転する予想とのことでした。「再生可能エネルギー」への転換の目的は、将来の化石燃料の枯渇と価格高騰に備えるもので、地球温暖化対策ではないとの説明があり、大変興味深く伺いました。

 ドイツ周辺国は原発建設を進めているのに、なぜ「脱原発」かとの質問に対し、各国には夫々の歴史と考えがあるとの答えでした。ドイツの「脱原発」は参考になるが、日本のエネルギー政策は、独自の事情を考え決めるべきだと思います。ここ50年程の期間では、経済性(変動コスト3/Wh程度)と安全性から安全な原発の早急な再稼働がベストの選択だと思います。リスクゼロの「脱原発」を求めるなら、石炭火力が環境リスクは大きいが、合理的選択でしょう。「再生可能エネルギー」は推進すべきだが、発電コスト30~40/Whのものを補助金とFITにより強制的に拡大しており、国民の経済負担が大きく、経済性に無理があります。シェールガス革命があり、当分化石燃料の枯渇の心配はなく、100年後のエネルギー事情は画期的な技術革新があるかもしれず、時間をかけて検討すればよいと思います。

                                            西田 輝彦


                             平成265

 

 現在の日本は、電力へ依存し過ぎているのではないだろうか。最近は、省エネと言えば節電と言った風潮が極めて強いように思われる。FIT制度の導入もあり、再生可能エネルギーを利用した電力、特に太陽光発電(PV)や水力発電がもてはやされているように見受けられる。また、この様な発電を我が国の未来・将来エネルギーと称して、導入を推進する多くの組織も存在している。PVや水力を主に推進して我が国の将来・未来のエネルギーを真に論じる事ができるのだろうか。この様な組織は、決まってFIT制度の導入を推進している事が多かったが、発電により利益の出る制度であるはずのFIT制度が導入されたのに、なぜ、特に大規模PV(非住宅用)や水力の導入量(認定量ではない)は、伸びないのだろうか。

 エネルギーは、少なくとも電気だけではなく、熱も重要なエネルギーであり、家庭におけるエネルギー消費は、おおよそ半分以上が給湯や空調(特に暖房)用の熱に関するエネルギー消費である。例えば、太陽熱は、PVよりも遙かに効率が良く、うまく利用すれば一年間の熱需要を賄え、その分節電にもなり、電力への依存度を低減させる事が可能である。実際に太陽熱をうまく利用している優れた住宅や施設も多く存在している。「熱は、熱で賄う」が自然な考え方・あり方ではないだろうか。藤原氏が先の本エコラムで民生(業務)や産業部門についての地中熱や未利用熱などの利用の必要性について言及されているが、まさに同感である。

 我が国の将来のエネルギーに関して、偏った特定のエネルギーからだけの観点ではなく、様々なエネルギーからの観点から総合的に論じ、導入を推進して欲しいものである。

                                                        阪元 勇輝          


                                平成264 

 IPCCの第5次報告」で環境省も“地球温暖化”から脱皮して「“気候変動”キャンペーン」を開始し、気候変動による日本での影響も明確になりつつありますが、温暖な世間様の風評では二酸化炭素の400ppmよりもpm2.5の方が重いとか。

  水田を原風景とする東洋思想での環境へのアプローチは、自然の生業、自然の営みが基本と考えています。江戸時代です。これが日本の環境保全への姿だと思っていますが、ひょっとしたら、400ppmが普段着の環境像は、自然界ではなく人間界に相移転したのかも。江戸ではなく現代です。

  ですから、市場価値のないキャンペーンは猫に小判。その小判(猫界の小判)で鰹節(人間界の小判)を買い与えれば、猫(市場経済下の人間)は喜ぶのに。

  人間界のカラクリは技術を手にした社会性動物、そして経済概念にあります。つまり、平和(特定種の保全)も快適環境(外部不経済の消滅)もホロン(holon:全体子)の中での複雑系になります。     (ホロン=ホル+オン)

   ですから、ホル(全体)をシンク グローバリーしてキャンペーンしなくても、オン(個)のアクト ローカリーはそれぞれが立派な活動になります。ホルに対して。

    猫界の小判で鰹節を買いに行きましょう。

   が、価値のない小判のために、オンは、鰹を釣る船の手配、いや船建造の材料集めから。

 

                                  吉田 誠宏

                                                                                                                            


                                            
 平成263月

           「最近の化学工場の災害事故に思う」

  近年、化学工場での災害事故の発生が増加傾向にある。消防庁の資料「平成23年の危険物にかかる事故の公表」(平成24年5月25日)では、近年、化学工場における危険物の火災及び流出事故は586件と、危険物施設が減少しているにもかかわらず平成6年から約2倍に増加している。ここ数年を見ても、大企業での火災爆発事故が3件発生している。いずれもが、緊急時や非定常状態での発生で、その原因として、現場作業員の緊急時の対応能力不足、設備の不備等原因が共通している。近年の化学工場は、高度にコンピューター制御されており、異常時にはインターロック回路が作動するように設計されている。しかし、化学反応には暴走反応がつきもので、緊急時には現場作業員のマニュアルでの操作が必要な場合が多い。緊急時でのリスクアセスメントや危険予知の必要性が今更ながら高くなっていると感じる。
 
 さて、
3.11が近づいている。原子力発電所の再稼動のための原子力規制委員会での検討が進められているが、何故か活断層の存在だけがクローズアップされている。一方、新原子力規制基準が平成26年2月に発表された。その中では耐震性強化、津波対策、所内電源の多重化・分散化、格納容器の破損防止等ハード面の基準が多く取り上げられている。しかし、上述した化学工場と同じく、現場作業員の力量向上やリスクアセスメントの評価等のソフト面にも大いに目を向けた検討が必要と思われる。

                                                         橋本  武一

 

                                      

平成262

                                                                  水 道 の 話

   皆さんは毎日いつでもどこでも水道の蛇口をひねればきれいな水が出てきておいしく飲め、また炊事、洗濯、洗面、風呂などにもたっぷり水を使い、しかも使った排水は全て流し去ることが出来て、更にトイレでは気持ち良い環境で用を足し、これまたきれいに洗い流すことが出来る生活を当たり前のように過ごされていると思いますが、日本人に生まれた幸せを感じませんか。

 世界を見れば国連の報告ではきれいな水が飲めない人口が9億人、衛生的なトイレが無いのは実に25億人いると言われ、それらの国では下痢や疫病などの病気のために乳幼児をはじめとして毎日多くの人が命を落とし、また子供や女性が毎日数キロの道を歩いて水汲みに行かなければならず教育や働く機会を奪われている現状を想像することすら難しいのではないでしょうか。更にその他多くの国々においても、上下水道システムが不完全なためきれいな飲料水や生活用水の確保が困難で、また汚水の垂れ流しによる環境破壊等深刻な社会問題を引き起こしています。

  人口が集中した都市の機能を保つためにはライフラインとして上下水道システムは重要なインフラですが、日本においては奈良時代の藤原京や平城京の都市化に伴い、井戸や河川水の利用、堀をめぐらし水洗トイレ等排水や雨水を流す公共用水路が整備されたのが始まりと考えられています。それが平安京に引き継がれ、江戸において我国独自の上下水道システムが整備されて完成形を見ます。この事によって江戸が世界の最先端を行く百万都市として260年間の繁栄をきわめたと言っても過言ではありません。

   今日わが国は上水道では約98%、下水道は約76%(他のシステムを含めると水洗化率は約93%)の普及率に達し、ほとんどの地域が整備され適切に管理されているので、自然や社会環境が保たれ安心、安全で豊かな生活が送れるようになっています。日本人の知恵と歴史に育まれた我国の上下水道システムは我々の宝です。将来にわたって大切に守り育てていかなければならないと考えます。

   最近様々な分野において日本独自のハードウエアやソフトウエアがジャパンブランドとして世界の注目を集めつつありますが、まさに高い技術と経験のもと多くのノーハウを持つ我国の上下水道システムは、世界最高水準のジャパンブランドとして今後世界の水問題の解決に貢献することが期待されます。

                                                                                                                               山 壤



                           平成26年1月

              異 常 気 象 に 思 う

しばらく環境カウンセラー協会の会合にも出席せず、皆様にもご無沙汰しておりましたが、図らずも原稿の依頼があり最近の心境をお伝えできる機会を頂き感謝しています。

   さて、平成25年は、大変な異常気象の年でしかもその異常の度合いはますます増幅してきているように思えます。冬は北日本から西日本にかけて平均気温が低く、又青森県酸ヶ湯で積雪の深さが566pとなるなど記録的な積雪となりました。春は降水量が記録的に少なく、ただでさえ雨が少ない奈良県では田植えがなかなかできなく心配したことを記憶しています。夏は特に西日本で夏の平均気温が対例年+1.2℃を記録し、全国925か所の観測所の内125地点で最高気温記録を更新しました。高知県四万十市では最高気温が41.0℃と歴代全国1位となりました。そして高温が10月下旬まで続き本格的な秋を迎えず一気に冬に入りました。又秋台風の日本への接近数が9個と最も多く、このため降雨量が多く、嵐山の桂川の洪水が記憶に新しいです。平成25年は極端現象が多発した年ではなかったでしょうか。これらの現象の大きな要因が地球温暖化であることは疑う余地もありません。
  こんな中COP19で我が国は福島原発事故を理由に大幅に約束を後退させたと報道されています
。地球温暖化防止の道が本当に見つかるのでしょうか。
  自分では信念を持った答えが見つからず、脱力感に満ちているこの頃です。
                                        以 上

                                              植田 義人


                                   
平成25年12月

アジアの低炭素化を見据えた小水力による留学生活動

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次報告書は、人間活動による二酸化炭素(CO2)などが温暖化の支配的要因である可能性が極めて高いと、踏み込んだ表現になり、今後、極端な高温や大雨が増える見通しを示している。しかし、気候変動枠組み条約第19回締約国会議(COP19)では、温室効果ガス排出削減の新枠組みはすべての国を対象とする方針が、先進国と途上国の対立で合意文書は曖昧になり、温暖化対策が後退する恐れもある。

また、2050年に世界の温室効果ガス排出量を1990年比半減させるシナリオが出ているが、このような状況では実現は容易ではない。2050年に世界人口の半分以上、温室効果ガス排出量の半分以上を占めると言われる  アジアでの低炭素社会の実現が鍵を握る。そのために、ビジョンを実現する人材育成が、アジア低炭素社会形成にとって、ポイントになる。

私は四国の高専で、企業経験を生かして、「モノづくり授業」を主導し、地域と連携して小水力発電装置を開発しているが、上述の点からアジア留学生がアジア低炭素化の中核人材になるよう、小水力発電を通じて、学習・実践をする研究会活動を推進している。活動は、環境学習、自治体訪問、小水力発電装置の設計、部品加工、組立、性能実験等を行い、留学生が再生可能エネルギ−、特に小水力発電の技術保持が出来るように努めている。

予測では、例えばインドネシアは2005年を基準100%として、2050年には、削減策を何も採用しないと1200%に増加するが、再生可能エネルギ−も含めた低減策を導入すると200%までに増加を抑制でき、他の国についても同様の見通しになる。このためにも、留学生が母国に帰国後、高専留学中に学んだことを生かし、環境マインドをもつ中核人材として活躍してくれることを大いに期待している。

目下、東南アジアで小水力発電の普及を構想しているが、第1陣はフィリッピンに決定した。小水力発電により、アジアの低炭素化に貢献できることを願っている。

                           

          宇野 浩


                         平成2511月

       う  

 20139月、奈良県新公会堂で、『レーザー核融合エネルギー開発にむけた日米シンポジュウム』が開催されました。海水から取り出せる重水素と三重水素を超高温・超高圧状態でレーザー照射し、核融合反応を起こし、その発生エネルギーを発電に利用するのが目的のようです。米国ローレンスリバモア国立研究所の点火施設では、エネルギーの生成効率が急向上し、2年以内に投入エネルギーを上回る点火に達することを目標にしています。 
 また、大阪大学では、高速点火核融合の原理実証が進展し、現実のエネルギー源としての変革が展望される様になりました。この他、日米欧などがフランスで建設する「国際熱核融合実験炉ITER」等が有ります。これらの核融合炉は直接CO2を排泄せず、高レベルの放射性廃棄物が発生しないのが最大の魅力であり、技術者として大いに期待しています。
 一方、電力構成比で最大の火力発電の熱効率も60%に届き、この技術を世界展開すれば、日本国のCO2発生量相当分が減少すると試算されています。しかしながら、近年気候変動による被害が甚大化し、復興や予防のインフラ構築に膨大な投資が必要とされ、CO2を地中に封じ閉じ込める技術が期待されていますが、未だ処分地の確保も実証もされていません。

 原子力発電は、直接CO2を発生せず安定しているので、仏、英米等はじめ発展途上国や産油国までもが推進している一方で、削減或いは廃炉を目指す国も有ります。最大の課題は、一部の国を除いて、高レベルの放射性廃棄物処理法が確立しないまま発電を続けている事です。核廃棄物の最終処分地を確保している国は僅かです。日本では「プルサーマル」や「もんじゅ」で発生量抑制システム開発をしていますが、保全の不手際の為、実証運転段階から抜け出していません。また、東京電力福島第1原発事故の主要因は、設置高度の不足でした。約15m高かった近くの東北電力女川原発が安全に自動停止して、住民の避難場所となったことからでも明らかでしょう。多くの事故は、想定の甘さとリスクコミニケーション不足が根底にあり、技術的には回避できる事故ばかりと思われます。必要十分な条件で設計、設置、運転し、異常を処置する技術を、世界に提供する事が日本の役割ではないでしょうか。放射線量と生態系(特に人)への影響について、正確な教育と報道も大切です。怖れず侮らず科学的に判断出来る社会にあって、技術者・技能者が弱気にならず、活躍出来る様に夢を持ち、次世代発電技術に繋いでいきたいものと思います。

 水力、地熱発電は上質な安定電源ですが建設地が限定されています。太陽光発電・風力発電では、長期にわたる変換効率や耐久性の向上及び畜電量の上限能力を見極める事が技術課題です。安全な原発等、安定電源との相互的補完関係を保持し、利用技術を高める事が、電源構成バランスのよい経済効果と安心感を獲得できるものと確信いたします。

 

                                                                                  濱 田 久

                               


                                            平成
2510

 

東京スカイツリーと地中熱の利用

 

 今や国内最大級の観光施設になっている東京スカイツリーは、今年の522日に開業1周年を迎え、この間に訪れた人は5080万人に達している。小生も昨年の10月に訪問することができて、大いに感動させられました。

高さ634メートルは自立式電波塔として世界一であり、五重塔のような制震構造や、350mの天望デッキまで50秒で到達するエレベーターなど最新の技術が取り入れられているとの説明でした。450メートルの天望回廊からの東京の町並みや隅田川、富士山などの眺めは本当に素晴らしいものでした。

さて、今回の主題は、このスカイツリーの周辺施設に冷暖房や給湯用の熱を供給する地域熱供給システムの熱源に、電力や化石エネルギーに加え地中熱を採用している事です。

地中の温度は、年間を通じて1517℃とほぼ一定で、外気との温度差を利用すると、冷暖房に必要な冷水、温水を作る際のエネルギー使用量の削減が出来ます。この施設では地下120mの深さまで掘削した垂直孔に熱交換用チューブを21本挿入、建物の基礎杭にも熱交換用チューブを取り付け、チューブ内を循環する水を媒体として地中熱を取り入れたり、熱を放出したりする。さらに総量7000トンの巨大な蓄熱槽を備え、地中熱を利用しつつ他の冷暖房機器と併用運転を行い、夏場は冷水を、冬場は温水を蓄えて、需要先へ供給する。この方式の採用で、受電量のピークカット、省エネルギーなどの効果があり、初期投資40億円は、10数年で回収できる見込みと聞いています。

現在、未利用熱と言われているものは地中熱のほかに、工場排熱、下水、河川、海水などがありますが、この地中熱に関しては物理的な利用可能量の0.1%以下の利用率です。

最近の傾向としては、太陽光、風力、水力発電など、世間の関心は自然エネルギー利用の発電に向けられているようですが、このような、未利用熱の利用にも大いに関心を持ち開発を推進する必要があると考えますが皆さんは如何でしょうか。

 

  藤原 敏雄


                                                                                                                                        平成25年9月

                                                           

             環境---この捉えどころないもの

 環境、この問題に携わって数十年経って、ますます「環境」が判らなくなってきた。「環境が良い」、「環境が悪い」という言葉は我々常日ごろ使用している。「自然を破壊する事は環境を悪化させる」とは我々のコンセンサスとして頭に何となくこびり付いている。では、「人間が絶滅すれば自然を破壊するものがいなくなって自然環境が良くなるのか?」という事になってしまう。「地球に優しく」という偽善的な言葉をよく見かけるが、地球はどうなろうとも、全宇宙的にみれば粟粒みたいなものでどうでもよく、地球ではなく「私(我々)にやさしく」で、甚だ自分勝手な表現で虫唾がはしる。「環境(environment)」の文字は日本語でも英文でも同じで「周りを取り囲むもの」とされている。ではその主体は誰かというと我々(人間)である。甚だ自分勝手な解釈で、我々にとって居心地が良ければ「環境が良い」、悪ければ「環境が悪い」という。そこには「ゴキブリ・蝿・蚊」にとって環境が悪くても悪いとはいわない。彼らも神様が作った人間と同じ生命体(神様は意味があるから、それらを誕生させている)で、たまたま我々に若干の悪さ(それほどの悪さとは思えないが)をするだけで、たたき潰されるという大虐殺(holocaust)を受ける。そこには「生命多様性」もくそもない。

 最近抗菌グッズが色々出回って、菌に対する迫害が一層強まってきている。それら絶滅され、純粋培養的な世界がはたして良いのであろうか。おそらく菌に対する抵抗力が無くなり、無菌室でしか生きられなくなる。事実最近の日本人が異常に綺麗好きで、抵抗力が無くなって、ひ弱になっているらしい。この世から「菌」を除いたら「酒、ビール、味噌、醤油、酢、納豆、ヨーグルト、チーズ、漬物類」 その他多くの食品が消える。その前に我々は腹の中に「大腸菌」を飼っている。この菌が無くなれば、人間は一刻も生きていられない。まさしく「大腸菌様に感謝致しましょう」である。

 周りを見ると、このように「環境」を旗印にして、「TPP対反TPP」、「原発対反原発」、「開発対自然維持」、「与党政策対野党政策」等全部の論争がすべて「目くそ鼻くそ」の感がする。

 今後とも永遠にこのような事が続いていくものと思われる。

 ゴキブリの目をよく見てください。「つぶらな可愛い目」をしています。

                                                                                                                                松本 郁夫

                                                                                             


                                     平成25年8

         世界自然遺産  を訪ねて

 

  富士山の世界文化遺産は決定したが、以前に応募した世界自然遺産はうまくいかなかったぐらいに自然遺産のケースはむずかしい。その中でも、動植物の生態系が保たれ、進化の過程がわかる事例としての小笠原諸島はぜひとも訪ねたい場所であった。しかし、現実に訪ねるとなると、関西からの交通の便はなかなか難しい。小笠原諸島は沖縄と同じ位南の亜熱帯の海上にあり、単に本土から遠いところであるというだけでなく、飛行機の便は無く、船便も東京から週1便、2日がかりの不便なところである。たまたまこの春、神戸から年に一度の小笠原往復のクルーズ便が見つかり、長年の宿願が叶うことになった。

 小笠原諸島は、海底火山が噴火・隆起してできた島(独立島)で、日本列島のようにもともとは大陸につながっていたが、そこから別れてできた島(大陸島)ではない。従って、小笠原諸島には最初は何の動植物もいなかった。絶海の孤島であり、大陸にいた動植物がそのまま移って来たのではなく、新しい島に飛んできたか、流れついたりした動植物が天敵のいない中、独自の進化を遂げることになる。まさにガラパゴスと同じ状況にある。

 例えば、哺乳類は空を飛べるこうもり以外はいない。そして、天敵のいないこうもりはおおきくなり「小笠原おおこうもり(天然記念物)」として残っている。南の島だが蛇もハブもいない。樹木は、その実が水に沈むものは、この島にたどりつけない。つまり、どんぐりころころどんぶりこ、という木の実ではなく、この島の木の実は水に浮く。こんなわけで、天敵の少なさとあいまって小笠原諸島には、独自の生態系が豊富にあり生物の進化が実感できる。特に,カタツムリは、棲息する場所により,殻の形態が違う。樹木の上部に棲息するものは殻がきわめて小さく、中間の樹皮の間に住むものは、殻が扁平で、地上にいるものは、土色の殻を持つ。まさにガラパゴスのイグアナのごとき進化をとげている。

 また、神戸から船中で2泊して、小笠原父島に到着し下船するに当たっては、本土の土を持ち込まないよう靴底を拭いて上陸するなどの配慮が必要で、人が持ち込んだ猫や山羊が野生化して小笠原固有種を襲うので駆除対策も必要で、飛行場の建設も検討されているが、貴重な生態系を保全する取り組みの必要性を痛感した。富士山の世界自然遺産は到底無理ということがよくわかった。

                                            吉村 孝史

平成257

マスメディアの罪 

毎晩の晩酌は別にして、毎日の新聞と週一の週刊誌、そして決まった曜日のTV番組が唯一の楽しみになっている。 とは言うものの、必ずしも満足してはいない。何故か、楽しむに十分な、ゆっくりした時間が無いのが現実である。

  さて、昔、新聞についての苦い思い出がある。親父の代から我が家では朝日新聞を購読していて、高校・大学生の時は、天声人語を筆頭に隅から隅まで熟読し、社会勉強の他、国語力養成にも大いに役立った。就職後も暫らくは現地の所謂地方紙と伝統ある朝日を購読していたが、昭和47年の公害問題が華やかなりし頃、その朝日が小生の働いている現場写真をでかでかと掲載した。工場から立ち上る黒々とした煙で、「これが公害の源!」の大見出し。「何を?」とよくよく見ると、なんのことはない、酸素工場からの真っ白の水蒸気を逆光で撮った写真であることは其の場が現場であった私には直ぐに分かった。正に「マスメディアの正体見たり!」であった。(同様の映像は今でも新聞やTVで見られるが) 即刻、販売店にそのことを抗議し、購読も取りやめた。これがきっかけとなりマスメディアは注意して見聞きする事になったが、売国、ヤラセの筆頭が朝日新聞であることは、その後の観察で実に明らかになった。国際的に反日感情を煽り立てたあの「慰安婦」問題も元はと言えば、朝日の恣意的なでっち上げと中共や韓国への御注進であるのは周知の事実である。ウソを見抜くのは大変難しいが、基本的にはマスコミ発表は鵜呑みにしないことであろう。公共放送のNHKでさえ偏向している。現在は、最も中立的な、右も左もない、「産経新聞」を購読している。TVは「たかじんのそこまで言って委員会」は面白いが。しっかりした日本国民でありたい。

                                   森田 正夫


                            平成25年6月

 自然界にも何か異変が?

  最近日本には、はっきりした四季がなくなり、二季になりつつあるということを耳にしますが、近ごろの低温続きの現状を考えるとやはり何かおかしいのでは!?という気になります。

   このゴールデンウイーク中にも北海道は何十年ぶりかの積雪にみまわれ、ここ近畿圏でも平年気温を下回る日が多く、初夏のすがすがしさを満喫できなかったのが残念です。今度はこのままいきなり猛暑にみまわれる事態になるのではと不安ですが、皆さまはどのようにお考えですか。

 また、我が家では例年よりとても早く、しかも大量の毛虫が発生し、木々の若葉が無残な姿になっています。それに今まであまり問題にならなかったマダニの発生報道も恐ろしいニュースです。異常気候で生態系にも大きな異変がおき始めているのでなければいいのですが……

    自然界が発する警鐘に耳をかたむけながら、環境問題を考えていく大切さを改めて痛感している次第です。

                                          中村 知子

                         平成25年5月

                          風光明媚な「豊島」を訪れ不法投棄廃棄物の量に驚く

  4月中頃に「瀬戸内国際芸術祭2013」の観光客でほぼ満席の直島経由豊島行きの高速船に乗った。 乗客は静かな海面に点在する島々の美しい景観を楽しんでいる。 観光客は、自然の風景と住民の生活を活かしたアートを楽しみに訪れているが、筆者は島の西端にある「不法投棄された廃棄物の発掘現場」に向かった。
  「豊島廃棄物等処理事業」は、公害紛争防止法に基づいて、豊島住民と香川県との間で平成12年に調停が成立し、県が処理事業を実施している。当初計画では不法投棄量を約67万トンと見積もり、これを処理するために設置した直島環境センターの処理能力は、約7万トン/年(回転式溶融炉2基及びロータリキルン炉1基⇒能力約193トン/日)で、業務開始は平成15年9月から10ケ年の時限事業であった。
  しかし昨年の再調査により、廃棄物量が約84万トン及び直下汚染土壌が約10万トンと判明し、追加処理のため3年6ケ月の延長となった。従って当初、平成25年3月終了の計画が、平成28年9月終了に変更となり、更に巨額な税金を投ずることになっている。 廃棄物量84万トンを容積にすれば576千立方メートルと巨大な嵩である。
  処理するのに14年を要するわけだが、 業者が昭和50年代後半に不法投棄や野焼きを開始してから、県が処理業者を告発する平成6年まで実に約14年もかかっており、もっと早く何とかできなかったのか極めて残念で、お粗末な出来事と言えよう。

                                                                            安田  淨

 
                                        平成
254

今住鉄工さんの取り組み

  株式会社 今住鉄工さんは、社員が13名で、少ない人数ながら、溶接加工して、大規模なマンションの鉄骨を日々生産されています。工場にお邪魔するとアヒルのパタちゃんが迎えてくれます。また、20羽ばかりの鳩もサーと寄ってきます。工場の前庭には自然に育ってきたセンダンの木が茂っており、桜の花も咲いています。周辺の空き地には花や野菜が植えられて昼のお弁当の惣菜にもなっているようです。2階の事務所では同じくインコやメダカが迎えてくれます。

今住鉄工さんは名前どうり大規模な鉄骨を溶接加工する鉄工会社で、高精度な加工を要求され、設計上でも独自の工夫を重ねて実施されています。また環境経営を推進する為に

環境省主導のエコアクション21に取り組まれて地道な改善活動を推進されつつあります。

  昼の休憩時には社員とアヒルのパタちゃんと鳩が一緒に楽しんでおり、まさに生き物と共生されています。ここでは生物多様性とか難しい表現を使わなくとも自然に親しんでおられる姿を見受けます。一見硬い事業を推進されていますが、やわらかな感性で環境にやさしい活動を積極的に進められています。

さて、今住鉄工さんは平成25年3月6日に東京で「環境省主催の第16回環境コミュニケーション大賞環境活動レポート部門の奨励賞」を山本良一審査委員長から授与されました。【非常に分かり易く編集されており、自ら熱心に取り組んでいるCO2低減策として、グリーン電力の購入、LEDや高効率照明の導入など取り組み内容は多岐にわたり、また本業での不適合製品ゼロを目指すなどEA21をうまく活用されている。自然との共生取り組みやボランティアー活動なども素晴らしく、「人は宝」という社是が読み取れる環境活動レポートである】と評価されました。みなさんも是非、今住鉄工さんのホームページをご覧下さい。

なお、環境管理責任者の今住たか子さんには、夢「マンションにも小さなビオトープや小鳥の住むスペース、野菜や花を栽培するなど住民が気軽に自然と親しめる空間を作りたい」があるそうです。

                                         楠下 孝雄

平成25年3月



   総理大臣が1年毎に交代する様になってから、日本の政治はマスコミと世論と称する一部集団と政党の党利、党略の動きに振り回され決められない弱体政治体制が続いてきました。
この状態に加え東日本大震災で国家として大打撃をうけ、国力も相当に低下してきた感があります。特に福島原子力発電所の事故によって放出された放射線と原子炉の処分は、これから随分お金をかけて償わねばならない負の遺産を抱えることとなりました。
 
目下、わが国の緊急の課題は、領土問題と安全保障、デフレからの脱却と経済発展、エネルギー構成の選定など沢山あり、これらの諸問題の解決の為に新しく発足した安倍内閣のもとに我々は結束して努力して行かねばならないと痛感しています。

エネルギーの選定に際しては、システムの安全性、安全保障、コスト、環境影響の4条件を的確に評価、分析して冷静に将来の方向性を決めて行くべきものと思っています。特に日本は主要国の中でも極端なエネルギー小国です。自給率は4%しかありません。殆どのエネルギーは外国から輸入しており、再生エネルギーはコスト高で安定供給ができず、供給量に限界があります。今の状態では化石エネルギーの輸入に頼っていますが、LNGなどのエネルギー調達に1年に3兆円もの国富が海外へ流出しています。これに加え、若し地域紛争や他国との対立が起これば、必要なエネルギーが確保できないエネルギー恐慌が起こります。確立しておかねばならないエネルギー安全保障が、原発反対のムードの陰に隠れてしまい真剣に議論されないことが不思議でなりません。

原発の安全性の検討においても、原子力の安全神話は崩壊しましたが、そもそも絶対安全というものはこの世に存在しません。地盤調査にしても、10万年前を推定する事の確率の難しさと不確定さをよくわきまえた判断が必要です。委員や関係者の責任逃れの判断に振り回されることがあってはなりません。使用済みの核燃料処理も、逃げるだけでなく責任ある判断をくだし、国民として協力する信念を持ち合う事が求められています。むしろ福島の事故を奇禍として更なる安全技術を開発し進化させて行くことこそが、世界の関係者が日本に期待することと思いますが如何でしょうか。

将来のエネルギー選定にあたっては、総合的な視点で判断し、多様なエネルギー源をバランスよく使用することが、日本が生き残れる唯一の道であると信じています。

 

  藤原 敏雄

                                                                     

                                                    平成25年2月

PM2・5」と日本人DNA

 地球は相変わらず廻っています。それに連れて大気も動き、偏西風の蛇行で寒気団が上がったり、下がったりして、日本の寒さ加減も変動しています。西からの大気の動きに乗って、最近ものすごいものが飛来してきました。呼吸器系を通じての健康を強く害する2.5ミクロン以下の粒子(PM)が大量に関西に届きました。我が国では幸いにもまだ被害者は出ていないようですが、発生元の隣国では何千人もの犠牲者が出ているようです。数十年前から酸性雨(酸性雪も)問題もありましたが、経済発展が著しくなり、車も級数的に増えて、ここ数年が特に顕著になったようです。人口が15億人程でしょうから、その公害規模も少なくともかっての日本の10倍以上となり、一党独裁支配の、やりたい放題では、一層深刻になっているものと思われます。素晴らしいDNAを持つ人達の国「日本」からは金儲けの仕方だけを真似、公害を克服してきた心や技術は一考だにしていないようで、大変残念です。絶滅危惧種のアホウドリ、トキ、そしてコウノトリを蘇らせ、にほんうなぎも必死になって減少を食い止めようとしている日本人の心(DNA)は、1300年昔から奈良公園の神鹿とルリセンチコガネムシ(糞ころがし)により連綿と営まれてきた循環型社会にその典型を見ることが出来るのではないでしょうか。四面を海に囲まれたモンスーン地帯の島国で、自然との共生を当然のものとして育まれてきたこのすばらしいDNAは日本の生物特有のようですが、出来ることなら、全世界の人々にこのDNAを接種出来ればと考えます。 

                                  佐 子 



                                                                             平成
251

                                   【トンネルの事故について

  笹子トンネルの天上板崩落事故に関し、天上の取り付け方法等に疑問を持った。アンカーボルトの固定に樹脂が使われていたということであるが、アンカーボルトは、物理的に固定するのが一般的である。長年、プラント建設に従事してきたが、アンカーボルトを樹脂で固定するのは、応急の場合のみのような気がする。まして、抜ければ重大な事故につながる下向きのものは、慎重に工法を選ばなければならない。

 接着剤としては、エポキシ系のものが使用されていたと考えられるが、工法を決定した時点で、強度の経年変化についての検証ができていたのであろうか。有機物は、経年で劣化する可能性が高いのである。エポキシ樹脂の原料のビスフェノールAには、2つのグレードがあり、純度の高いものは、ポリカーボネートに用いられ、純度の低いものがエポキシに使われる。不純物の存在とコンクリートのアルカリ、車からの一酸化炭素等が劣化の要因として考えられる。

 原発の事故のときに感じたことであるが、プラント業界の安全に対する常識が、他の業界では、あまり参考にされていないようである。今後、高度成長期に、工期を急いで建設されたものに問題が起こる可能性が高い。今回の事故の反省として、十分な検査を実施してもらいたいと思う。

                                                                                                                              中井 陽一



平成2412

【自然の恵み〜がんばれ中南和〜】

 おふくろがドライブ好きなので、季節がいい頃は、あちこち連れて行きます。10月初め、山麓線(県道30号線)から国道309号を吉野川に向かいました。

   奈良盆地の稲刈りは遅いのですが、これは吉野川分水の取水時期の影響で田植えの時期が遅いためです。このころは稲刈り前で、山麓線からは黄金色の棚田を見渡すことができました。このあたりは、古代権勢を誇っていた葛城氏の大邸宅があった地で、遠く現在の奈良市内まで見渡せたと聞き及び、古代のロマンに思いを馳せます。

 大淀町で、県内で最も繁盛しているという「道の駅」に立ち寄りました。そこで、おふくろが20世紀梨とブドウを買いました。「大淀の梨」はうまいというのは噂には聞いていましたが、家で食すると豊潤で甘いこと、のたうちまわるほどでした。ブドウもとっても甘かったです。さっそくネットなどで調べると、「大阿太高原」だけで生産されており、盆地状の高原という地形と強粘土質の赤土のため、糖度やミネラルが多く、香り成分まで含まれているとのこと。通常、赤土は水はけが悪いので農業生産に向かないのですが、梨の生産にはよいそうです。ただし、大阿太高原はそれほど広くないので、大量生産はできず、あまり宣伝もしていなくて、口コミで広がっているようです。まさに「大阿太高原ブランド」です。早速取り寄せて、関東の親戚に送ってやりましたが大好評でした。実はこれは大変幸運だったようです。今年は9月に入っても気温が高かったため、梨が熟すのが遅れていたそうです。

 ところで、「大阿太高原」に隣接する福神駅前に、近鉄が「花吉野ガーデンヒルズ」というニュータウンを開発しています。今の話題は、ちょうどこの10月、この「花吉野」に県内初のメガソーラーを整備することが発表されました。900戸の住宅へ電気供給が可能だそうです。 

    中南和、がんばれ!

             中村 由実


平成2411

陶器の嫁入り

  20066月から不用食器を集めて陶器のリユース市「もったいない陶器市」を開催する活動をしています。趣味のお菓子の食べ歩きで、食器棚にたまる「スイーツカップ」を捨てる時の忍びない気持ちからこの活動は生まれました。日々、陶磁器のリユース・リサイクル活動をしていて感じることは「ごみ」はいつの時点で「ごみ」となるのだろうということです。「必要がない」人は「ごみ」として陶器を持ってこられ、「必要・ほしい」人は持って帰られる。同じものなのに・・・・「いる人といらない人をつなぐ場」を作るだけで捨てられるかもしれなかったものが次の使い手のもとへ渡り、「もの」としての第2の人生が始まります。陶器市の現場でボランティアさんはよく「あのお皿、貰い手が付いたわ〜お嫁入りしはった〜」等とよく言います。その言葉を聞くとなんだか心が温かくなります。持ち込みをされるお客さんの中には、回収に出した後もずっとゴザの上に並んでいる自分が出した陶器を眺めておられ、一緒に来られたお友達に「私が出した陶器もらわれたわ〜!」と嬉しそうに「我が家にいた陶器の嫁入り」を確認してから帰られる方もしばしばおられます。「もったいない陶器市」はごみ減量だけではなく「物の大切さ」や「物への愛着」のようなものも再確認させてくれる場だといつも感じています。

                                       樽井 雅美

 

201210

 

原子力発電が「安価な電力の供給源」という大きな誤解

 

9月、政府は「原発ゼロ」方針を決めたが、「安全か経済か」のみの議論と、真に将来を考えて、ではなくポピュリズムに流れた結果の結論に大変不安を感じている。私は昔から原発には反対だ。しかし原発の是非に関る問題は事故リスクだけではない。放射性廃棄物、エネルギー安全保障、蓄積技術と今後の技術課題など多くの問題を置き去りのまま、All or Nothing的に決め、思考停止してしまうことは危険ではないか。

なかでも、原発が「安価な電力の供給源」という位置づけのままの決定は、日本経済が今後さらに危機的状況になると、「やはり推進すべき」との結論にもなりうる。

放射性廃棄物の地層処分は、狭い国土のどこに埋めるのか、実行にはどれだけコストがかかるのか、何も決まっておらず試算方法も十分ではない。そのような状態での原発電力単価の計算には意味がない。「安価な電力」の恩恵を国民全体が受けるので、後始末を国が負担という考え方なら、赤字国債のようにそのコストはすべて子孫が負担するが、負担額も期限も不明となると、長期的に見れば原発には経済的にもリスクが大きいことになる。

しかし、それなら原発など今すぐやめてしまえ、と言える時はもう過ぎてしまった。既に出来てしまった廃棄物の処理、廃炉の方法など、これから築いていかなければならない技術課題は数多い。これを機に日本は原発に関る技術を高めて、世界的には増えていく原発のあり方、終わらせ方の見本となるべきだ。これは、今後の日本が世界に貢献し、存在価値を示しうる数少ない事項ではないだろうか。

そう考えると、一部の原発は経済以外の理由で動かし続ける必要があるだろう。

石川正年


                              平成24年9月

蟷螂(とうろう)の斧とわかりつつ 

 近年、テレビや映画では、大がかりなドキュメント番組が作られています。見事に編集された番組を見ていると、世界中の自然の全ては解き明かされており、あとは番組の放送を待つばかりのような気分にすらなります。が、それは、大きな錯覚でしょう。

 隣の人の行動もよく解らないのに、別の種類の全てが解るはずなどありません。素朴な疑問でも、解き明かされていないことの多さに気がつくと思います。よく解らない生き物に対しては、比較的近縁の生き物で類推するしかないので、かなり苦しくなります。また、同じ種であっても、地方や年齢、性別でも大きな違いがあります。さらに、個性もあるので、テレビなどで得た情報がそのまま繰り返されることは極めて希でしょう。

 どうせ、全てを知ることなどは無理だとすれば、野外に出て、観察してみるのはいかがでしょうか?たしかに、夏は暑いし、冬は寒い。雨が降ると、動くのも厭になる。ヤブ蚊やアブ、スズメバチ、ダニもいればヒルもいる。見たい生き物はなかなか出てくれない。

 けど、どことなく、自然を肌で感じることは出来るはずです。洗練されていない臭いや音も、感じると思います。

 そして、自然の中で自分の相対的な大きさを否が応でも知ることが出来ます。いくら、観察機材を身につけて山に入ったところで、蟷螂の斧(大きな車相手に鎌を振り回すカマキリ)と大差ないことに気がつくまで、大して時間はかからないと思います。

 その上で、もう一度、自然について考えてみてはいかがでしょうか?

 

                       藤 田  泰 宏


                       2012年8月

自然と対話するということ

ロンドンオリンピックが華やかに開催中です。連日のアスリートたちのパフォーマンスはもとより、開会式もまた感動的なものでした。会場に「丘」をしつらえ豊かな自然と対話しながらの農業のシーン。そして産業革命、工業化。真っ赤に焼けた鉄の輪に悲壮感を抱いたのは私の偏見でしょうか。
  
  我が国同様島国の
UKは、自然に対する考え方もまた同様ではないかと感じています。「妖精」に象徴される自然観は日本の「八百万の神」に通じる感性ではないでしょうか。つまりは「自然」を尊び、敬い、恐れ、そして従うことから「農」が始まり、ヒトの生命が育まれました。言い換えれば自然と対話する能力により人類の繁栄があったのです。
 
  その「自然との対話力」を今、取り戻さなければと思っています。「自然との共生」などという言い方がありますが、人と自然が対等のようなイメージがあって正しくありません。共生すべきは自然のシステムを構成しているすべての「生き物」とで、彼らとの「対話力」もまた求められているのでしょう。

  そして技術とは自然と対話するための「言語」であって、対決するための道具ではありません。現在社会には多くの課題がありますが、それぞれの場面でそれぞれの人々がたくさんの言語を使って、より良い「解」を見つけることができればと思います。

今、「環境革命」の時代です。

                 


                                   平成24年7月

子どもたちに明るい未来を!

 ブラジルで開催されていた「国連持続可能な開発会議」(リオ+20)が622日閉幕した。採択された合意文章「私たちが望む未来」には、「グリーン経済」や国連環境計画の強化などが盛り込まれた。しかし、先進国と新興国・途上国との対立などで具体策に欠けるものとなった。ここでも温暖化効果ガス削減や生物多様性をめぐる対立の構造が浮かび上がった。

地球温暖化や森林破壊、生物種の絶滅など地球環境は悪化をたどっている。38億年前に1個の細胞が生まれた時から脈々と続いてきた多様な生き物たちの存続の危機でもある。その中に私たち人間も含まれる。この多様な生き物の繋がり「生態系」なくして私たち人間だけが生き残れることはない。私たち人間も一種の生き物であり自然の一部にすぎない。このことをもっと謙虚に受け止め一刻も早い大規模な保全行動が必要だ。

30年前に地球環境問題と出会い環境保全の会に入り、14年前から「子ども達に未来を残したい」と願い地域で環境活動を始めた。しかし、今では環境問題だけではなく、テロや紛争、貧困、金融危機、格差、雇用など世界中で問題が噴出している。まさに「現代の文明」の在り方が問われている。

子ども達に明るい未来を残すために、物やお金の豊かさだけを求めず、心の豊かさにも目を向けることが重要である。人間同士やその他の生き物と対立するのではなく、協力し合える「共生の文明」を私たちの責任において築いていけたらと願うばかりである。

                武田 悦美

 


平成246

                   環

 平成15年7月に施行された環境教育等による環境保全の取組の法律は、国民や民間団体が健全で恵み豊かな環境を維持し、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続可能な社会を構築するために、環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育ならびに協働取組の推進に必要な事項を定め、現在と将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的としている。
環境教育とは、持続可能な社会の構築をめざし、家庭、学校、職場、地域などあらゆる場で、環境と社会、経済や文化とのつながり、その他環境の保全についての理解を深めるために行われる環境保全に関する教育及び学習をいい、協働取組とは、国民、民間団体等、国や地方公共団体が適切に役割を分担し、対等の立場において相互に協力して行う環境保全活動、環境保全の意欲の増進、環境教育の環境保全に関する取組をいう。
 環境問題の歴史は、約1万年前に始まった農耕や牧畜がきっかけと言われ、田畑や牧草地を得るために自然環境に手を加えるようになり、やがて世界各地に大きな都市ができ、作って消費する社会が生まれ、森林の伐採、土地の荒廃、砂漠化などが進んだ。18〜19世紀、産業革命が始まり、化石燃料からエネルギーを取り出し、多くの人工物質が合成できるようになった。その陰で、エネルギーの大量消費や地球温暖化、生物の減少、ごみの増加、大気汚染など様々な環境問題が起きている。 取りも直さず、毎日繰り返す生活の中に環境問題がある。今後も学校教育や社会教育など、基礎基本の学習を大切にしながら年代に沿ったグローバルな環境教育ならびに協働取組を推進していく必要性を痛感する。

                                  川辺 恵美子

 



                                         平成245月臨時版

                                 原 発 雑 感

 図書館で週刊誌を拾い読みしているとき、福島第一原発の4号機の危険性に関する記事を見つけた。これは、ずっと気になっていたことであるが、今まであまり問題にされていなかったように思える。活性のある燃料棒が、安全面で完全とはいえないと思えるプールに保管されているのである。この問題は、現在停止中の全原発に共通のものである。事故報告書を読むと、原子炉にいろいろと問題があることがわかる。しかし、プールと比べると、より安全性が高いように思える。すなわち、中途半端な停止より、運転している方が安全性が高いということである。原子力利用というパンドラの箱のフタを開けてしまった以上、計画的にそのフタを閉める方法を考えなければならないと思う。
  福島の事故の検証には問題があるし、ストレステストもあてにならない。設備に問題があり、地震だけで事故が起こった可能性が高い。ストレステストは、条件を決めて検証するものであり、その条件以上のことが起これば、また、想定外ということになる。どのような状況でも、原子炉を冷却できるシステムを構築することが必要であり、その方策はあるはずである。  次に気になるのは、夏場の電力需給の問題である。数値を挙げて不足を強調する関電と、それを値切る有名人、どちらもどちらで、このような論議は意味のあることとは思えない。人々の節電に対する意識、気温、発電設備の安定性等々不確実な要素が多く、不足の数値は神のみぞ知るである。恐ろしいことは、需要が供給を上まわった時に起こるブラックアウトである。一度、ブラックアウトが起こると、短期間では復旧ができないとされており、人々の生活に与える影響は甚大である。古い休止中の火力発電を運転して、間に合わせようとしているが、これらは、いつトラブルで停止するかわからない。最も電力需要の大きいときに停止していたならば、大変なことになる。このことは、関電も承知していて、歯切れが悪いのは、このためであるように思える。しかし、このことを云うと、「しっかりしろ」と怒られるので、云えないでいるのではないだろうか。ブラックアウトまでいかなくても、地域を限った突然の停電は起こる可能性がある。突然の停電があった場合、道路の信号機、列車システム、医療機関等でトラブルが発生することが考えられる。これらを考えると、電力には余裕があることが望ましい。なお、我が家では、どんなに暑くてもクーラーを使用しないし、太陽光発電設備を設置している。また、我が家には江戸時代の生活システムが残っているし、近隣の農家との付き合いがある。したがって、ブラックアウトが起こったとしても、最低の生活には支障がないように思える。 

                                                                                                        中井 陽一   
   

                                            平成24年5月

チェルノブイリ原発事故から学ぶこと

     1986年にチェルノブイリ原子力発電所4号機の事故が起こってから26年の月日が経った。       私は事故後5年目に発足したチェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西のメンバーとしてベラルーシ共和国の小さな村(クラスノポーリエ、チェリコフ)の人々と交流を続けてきた。チェルノブイリ原子力発電所から250km離れた所にありながら、福島市や郡山市と同程度の放射能汚染地域となった村である。4月末、20年間ベラルーシ側の交流の窓口となっている二人の女性(教師、小児科医)が来日され、福島、福井、関西各地での講演を行ってきた。福島での講演会では汚染地に住み続けた二人に多くの母達から「どんな事に気をつけたらいいか」「移住するべきか」などの質問が相次いだと言う。

救援関西の代表が被爆者であることから、救援の始まった当時は、代表の存在がベラルーシの人々の励ましとなり、今の私たちは、チェルノブイリを経験した彼女たちに救いを求めている。彼女たちの事故後の日常を知り、同じ被災者として何をするべきか、何ができるかと言うことがとても重要だと思える。彼女たちもそれに応えて各地で丁寧に質問に答えてくれたとのこと。

福島市内のモニタリングセンターで使われている食料品の放射線測定器140台ほどのうち80台以上がベラルーシ製だと言うことからもベラルーシの放射能汚染の歴史から学ぶべき事が多くあることを物語っていると感じている。

(   美恵子)
                                                                     

平成
244

なぜ、消費者は不安なのか?〜「風評被害」を考える

 昨年の東日本大震災は福島第一原発事故を招き、世界を根底から変えるほどの衝撃を与えた。エネルギー政策の転換はもちろん、日本が長い年月向き合っていかねばならない食品汚染、除染と廃炉、賠償という大きな問題を抱えることになった。  私は「食の安全」の視点から述べたい。

政府は、消費者や食品事業者向けに食品中の放射性物質汚染に関する意見交換会を各地で開催し、この4月からより厳しい新基準で運用するという。生産自治体の絶えることのない検査と出荷制限措置などの努力で今のところ危険な状態ではないが、放射性物質汚染の消費者の不安は決して無くならない。放射性物質の広範な拡散の事実、半減期のとてつもない長さ、低線量や内部被ばくについて不明なことが多いこと、放射性物質汚染の稲わらを食べた牛肉の流通先の65%がつかめなかった実態、流通品からの検出、有識者の見解の食い違い、除染の限界と放射性物質隔離の問題、今後予想される魚介類への汚染懸念など、「安心」できる情報がないのだ。実は、消費地の自治体によっては新基準に対応できるだけの検査体制が整っていないのも現状なのだ。

「風評被害」と「被災地応援」といった言葉が氾濫し、同じ被害者同士の生産者と消費者が対立してはならない。詳細な汚染マップの作成と移行させない栽培手法の開発、出荷前検査の拡大、生産者への確実な補償、消費地における購買時点検体制を作ることなどで「安心」がある程度得られる。信頼できるところから情報を与えられて初めて消費者は「安心」できるのだ。科学者には@真実に誠実A想像力B公開C市民感覚の4つが規範と名古屋大名誉教授で宇宙物理学者の池内了さんは説いてきたと言う。リスクを予測し、予防原則が科学者の基本。消費者は情報量からも弱者。「風評被害」と消費者を戒める前に、圧倒的に情報量の多い政府や電力会社や有識者の説明責任は重い。 

                清水 順子


2012年3月

   地球1個分の暮らしのために  

- 政策決定にエコロジカル・フットプリントを活用しよう -

 国立環境研究所の地球環境研究センターによると、現在、人の手により6回目の大絶滅が起きようとしている。一番最近の絶滅は白亜紀後期で、生物の半数以上の種が絶滅したが、そのスピードはせいぜい1年間に10?100種程度であった。現在は年間4万種もの生物が絶滅しているそうだ。つまり、現在の絶滅スピードは過去と比較にならない程早く、一日100種以上の種が消えているということである。生物は皆つながって生きている。これら種の絶滅の結果が何時どういう形で人間に跳ね返ってくるのかは分らないが、その原因が人間の経済活動にあることははっきりしている。

 今の私たちの生活が持続可能かどうかは、エコロジカル・フットプリント(EF)で計算するとわかりやすい。EFの変化をグラフで見てみると、生物多様性と反比例の関係にある。EFとは経済活動や消費活動において必要とされるエネルギーや物質の生産に必要である土地、および水域面積の合計で、カナダで考えられた環境指標だが、日本でも公式指標として採用されている。

ロンドン市やカーディフ市(ウェールズの首都)には、EFを計測する課があり、たとえばカーディフ市では、EFで計算した結果、学校給食の牛乳が有機牛乳へと変更されたという。日本の自治体にももしこのような課があれば、政策を環境の視点から今一度見なおすことができるだろう。また、新システムを導入する際にも計測して、今あるものよりもEFが小さいことが確認できなければその計画は見合わせることにしたならば、今以上のEFの増大、すなわち環境悪化は防げると考えられる。現在、日本人の平均EFは世界の環境容量平均値の2.3倍、つまり日本人は地球2.3個分の暮らしをしているということだ。地球1個分の暮らしをめざすことから、持続可能な社会への一歩が始まる。自治体の政策決定が果たす役割は大きい。

栗岡 理子

                                                                  

                                             平成24年2月

奈良市内に文化財・環境・エネルギー研究施設を!

奈良市内に散逸・点在する文化財研究所を統合して総合文化財研究所と先端型スマートシティの実現に向けた環境及びエネルギー研究所を併設して、世界に注目される画期的な文化財・環境・エネルギー研究所(カルチュラルアセットエンバイロメンタルエネルギーインスティチュート)を統合・創設してはと提案するものである。建造物・遺跡文化財研究所、奈良学・古代史研究所、省エネ・再生エネ・創エネ研究所、省資源研究所等を順次設置して、国際的機能を有する研究施設を奈良女子大学内に建設してはと思う。一方、世界中の学者や研究者に加えて、観光客を受け容れるにふさわしい環境整備は当然整えるべきである。そこで奈良市も環境先進都市としてフライブルグ、ストックホルム、ハングルグ等の街づくりを取り入れるべきである。特に環境先進都市に比べて奈良市の景観規制は弱すぎる。国内外の人を誘客するに足る街づくり、美意識、おもてなしが中途半端である。従って奈良市の雇用と経済効果を狙って「文化財、環境、エネルギー研究施設の設置を国際戦略特区として国に申請」して、税制優遇や規制緩和と強化を図り、国内外の投資を呼びかけ、我が国の文化財、環境、エネルギー分野の先端的研究開発拠点を目指す。早急に具現化するためには「本提案を奈良市環境基本計画()」に組み込んではどうか!                                                        

                                                 千葉 佳一

2012年1月

電力自由化は価格抑制に不可欠

再生可能エネルギーは理想的だがコストが高いとされている。そのために日本の産業界は再生可能エネルギーの導入に前向きではない。一方、福島事故を受けて脱原発を決めたドイツは、日本と並ぶ先進工業国であるにも拘わらず、再生可能エネルギーの導入に積極的だ。ドイツ国内の再生可能エネルギーによる発電量は昨年、総電力の20%に達した。ドイツ政府はこれを2050年までに80%に引き上げるという。それでもドイツの産業界が電力コストのゆえに競争力を失うとは聞かない。実は、ドイツは1998年に電力市場の自由化と発送電分離を実施し、電力価格を2000年までの2年間に2割低下させた。その後も電力価格の高騰を防ぐために託送料金規制を強化するなど様々な方策を講じている。また、電力固定価格買取制度に基づく再生可能エネルギーの買取価格もその普及度を見ながら徐々に下げてきた。その結果太陽光発電のコストは最近5年間にほぼ半減している。このようなコスト削減の努力がなければ、ドイツといえども原発依存を脱し、自らの将来を再生可能エネルギーに託す方針を固めるのは難しかっただろう。 人類は将来必ず再生可能エネルギーに頼る時を迎える。電力会社の地域独占を許したままでは再生可能エネルギーの普及も脱原発もおぼつかない。報道によれば、日本政府は電力市場の自由化と発送電分離を論点とする電力改革の検討を始
めるとのことだ。成り行きを見守りたい。

藤澤一夫            



201112  

原子力発電の停止と再生可能エネルギー

 

今年311日の東日本大震災と福島第一原発の放射能漏れ事故発生後、全国の原発が殆ど定期検査停止から安全確認のために止まっている。原発は我が国の総発電量の30%を占め、電力不足によって国民生活と経済に深刻な支障が出そうである。
 菅首相が
5月に急に再生可能エネルギーを2020年台の前半に総発電量の20%にすると発表し、太陽光発電を1000万戸の屋根に付けると言う。
 3kW/戸×1000万戸×60万円/W18兆円という莫大な設置費用になり、発電単価が48/kWh
一般家庭向け電力価格の
2倍も高い。太陽光発電3000万kWは平均負荷率12%なので原発400kW分であり、我が国総発電量の34%にしかならない。
 他に風力発電は、故障が多いこと、騒音公害、安定性問題等、技術課題解決に相当時間を要する。水力発電は、我が国では増設余地が少ない。
 太陽光や風力は発電量が変動するので、蓄電設備やスマートグリッドが必要で、相当のコストが予想される。全電力の年間売上げ
15兆円に対し、20%の再生可能エネルギーの建設費は数10兆円規模になり、発電単価も高いので電気料金の値上りが生じ、また建設には長期間が必要で、再生可能エネルギーの拡大は良いが、性急な増加は難しい。当面化石燃料発電を増やすしかないが、燃料輸入費の増大は経済の痛手になると思われる。
 原発は、安全性を十分確認し、更に安全な原発として運転再開する必要があると考える。

西田 輝彦

 

平成23年11月

 

カーボンプリント制度と我が国の現状

 

カーボンプリント(CFP)制度試行事業を皆さんは、ご存じでしょうか。「低炭素社会づくり行動計画」において、
「見える化」の一つとして、商品およびサービスのライフサイクル全体(原材料調達から廃棄・リサイクルまで)で排出される温室効果ガスを
CO2量に換算し、表示する制度で、本年度までの3年間の国家プロジェクトとして推進されてきました。
  一方、我が国の現状は、3.11の大震災により、現在大きな問題となっている原発や自然エネルギーが日々大きく取り上げられ議論がされています。

 そもそも論として、過去よりもっと省エネ・省資源が推進されていれば、今のような原発絶対反対や自然エネルギー絶対推進だとか言う議論や極論は、かなり緩和されていたのではないかと思います。

 上記の様なCFP制度を今後さらに拡張させ、一般の商品やサービスに留まらず、発電等のエネルギー産業や他のインフラにも適用し、また温室効果ガスだけでなく、様々な環境負荷を「見える化」し、我が国の国民ひとりひとりが、自らが利用する商品やインフラ等の環境負荷やリスクをもっとよく理解し、今後のことをもっと良く考えることができるようになればと思います。

 

                                                    阪  


  平成2310

地球温暖化って? どこへ行くの?

 

東日本大震災では未曾有の「想定外」がありましたが、十津川村などでの台風12号の大水害でも、
明治
22年の十津川大水害に匹敵する事態で、今更ながら人知の及ぶ範囲の狭さを思い知らされます。

今回の〔山津波〕と言われた深層崩壊は、山林に目を向けた自然との共生ではなく、地形そのものにあるため、例えば活火山の有珠山の近くに住むことと同じように、地形の特性と共存する村づくりが必要になるでしょう。

十津川などでの土砂ダムは、今後も警戒が続くことでの避難を余儀なくされ、安住という日々の生活がない難渋もありますが、将来に向けては、今までの「想定」ではない「外」も含めた対応が肝要です。

 片や、原発に頼った温室効果ガスの削減計画は、25%の国際約束が地震前に発せられているため、その見直しが続けられることになります。

ここでも「想定」ではない「外」も含めた検討が必要になりますが、同時に、各国の「共通だが差異のある」責任は、2年後の着地点も定まらずに世界不況に入っているため、当面は環境どころではないでしょう。

 さて、地球温暖化って? どこへ行くの?

やむなく、IPCCの第5次報告を待つことになると思われます。

それで、少なくとも、第5次報告の策定に政治・経済からの偏った圧力がかからないよう、注視していきたいと思います。我が国での見直し検討も含めて。

(吉 田 誠 宏)

 

 

平成239

今夏の節電対策に思う

東日本大震災とその後の津波の影響で東京電力福島第1原発が被災、原発の安全性の再確認のため原発再稼働の目途が立っていない。それに伴う電力需給バランスの悪化から、今夏の節電対策が実施された。企業や一般家庭の節電協力により、今夏の大停電や計画停電のリスクは避けられそうである。一方、原発の再稼働に目途が立たない場合、今冬及び来夏の電力需給バランスの悪化が懸念されている
私はこの間、関心を持ってこの状況を見てきました。その中で感じたことを述べてみたいと思います。

震災後の被災地の冷静な対応や、今夏の節電への協力を国民や産業界が粛々と実施してきたことに、日本人の素晴らしさを再認識しました。節電に続く、省エネや再生可能エネルギーの創エネに対しても、日本人の工夫や技術開発力に大いに期待したいものです。

一方、電力会社や原子力行政に対しては多くの課題が露見しました。東京電力福島原発では、今回の津波の遡上高さ(15m)が2008年に試算されていたにもかかわらず対策を講じていなかったこと、津波発生後「想定外の津波」と報じたこと、頼みの火力発電所の故障による停止、耐震データの誤入力、日々報道される情報の隠ぺい、保安・保全体制の不備等々を観るにつけ、脆弱な電力供給基盤の上に日本の経済や国民生活が乗っていたのかと思うと、恐ろしく怒りすら覚えます。電力に反省しても
らいたいものです.

政府に至っては、突然の脱原発の発表、ストレステストの強化とバランス感覚に欠ける政策発表による混乱を招きました。新しい政府にはしっかりしたブレのないエネルギー政策の立案を期待します。

 

                                                                                                                                                                                                                                                                             


             平成238

災害廃棄物とフェニックス 

東日本大震災の発生するちょうど10日前に大阪湾フェニックス計画の大阪沖埋立処分場を見学した。この計画は近畿24168市町村の、一般廃棄物・産業廃棄物の最終処分場4か所を有する、近畿圏の廃棄物行政にとってはなくてはならない重要な事業である。特に一般廃棄物の埋立依存率は8割強であり、奈良県全域においてもフェニックスなくして最終処分は成り立たない状況である。今回の東日本大震災において発生した災害廃棄物(がれき)は3県で約2450万トンの膨大な量で、その処理・処分はとても3県だけでは対応できない。東北、関東をはじめとした広域での協力、対応が必要であるが、日ごろ想定していない状況では処理もさることながら埋立処分場の絶対量が不足しており、オールジャパンで考えるべき難題である。阪神・淡路大震災の時の災害廃棄物は約1800万トンであったが、フェニックスにおいて220万トンの大量の最終処分量を受け入れ、他に頼ることなく問題を解決することが出来た。まさに日ごろから広域で対応する処分場を有していたからこそである。将来、東南海大地震等の大規模災害が危惧されているが、発生する災害廃棄物に対応できる広域の処分場の大切さを、我々は十分に認識する必要があると考える。フェニックス計画はあと10年程度で満杯になり新たな処分場が必要となる。環境アセスメントや建設工期を考えると今すぐ具体的な計画をたてなければならない。これには膨大な資金が必要であるが、日ごろの廃棄物行政、災害時の対応を考えた時、我々奈良県民としても広域で取り組むべき問題に無関心であってはならない。奈良県だけでは生きていけないのだから。

                                                              山 壤

平成23年7月

 東日本大震災に思う

 311日に発生した東日本大震災は、地震・津波・原発事故という3大災害を発生させた。中でも原発事故は、報道され始めた頃からその経緯を注目していた。メルトダウンが起きていたことがわかり最悪の原発災害であった。事態の深刻さが明確になった。周辺住民の放射能被害、次いで、定検終了後の原発の再開を巡り管内閣のドタバタが続いている。他国は日本のこの現状をどう見ているかと思うと一国民として誠に恥ずかしい限りである。いま敗戦以来の我が国存亡の危機が到来しているのではと考える。我々はこの状態から何を学び、未来に何を申し送れば良いだろうか?原発事故は、津波で原子炉冷却用電源が使えなくなったことが直接の原因である。福島原発は5mの津波しか想定していなかった、今回の災害は想定外であるとの説明が報道されている。それではなぜ5mの津波しか想定しなかったのか。私は某石油化学工場に30年勤めた。危険の程度こそ違え石油化学工場も原子力発電工場同様大規模プロセス産業である。プロセス設計に当たっては、プロセス危険を洗い出す作業をおこなった。その際、原子力同様に自然災害の想定をするのだが、どの程度の想定をするのか非常に難しかったことを記憶している。自分だったら津波を5mでなく30mを主張していたか、はなはだ疑問である。たとえ主張していたとしても経済的な理由で却下されていたかもしれない。それで引き下がったかもしれない。これは、東電に限らずこれまでの日本の会社ではどこでも同じようなことかもしれない。原発事故は、「臭いものには蓋をする」という日本特有のモノの考え方の根幹に根ざしているのかもしれない。この点欧米には、臭いものの蓋を開ける役をもうけ、しかるべき権限を与える文化がある。たとえばISO9001では、審査員・内部監査員がそれである。日本では、原子力を推進する経済産業省の下に原子力を監視する安全保安院を置いている。交通行政を推進する国土交通省傘下に鉄道事故調査委員会や航空事故調査委員会がある。役所は早急に改めれば良いが、企業はどうすれば良いだろうか。仕組みを変えることで改善されるだろうか。臭いものの蓋を開けるには勇気が要る。使命感と主張力である。主張力については日本の「和」の文化が障害になっている。日本人一人一人が個を確立し自己を主張できるよう自己改造する必要が今こそ必要ではないだろうか?原発事故の真の原因を取り除き再発防止をするための道程は厳しい。しかし、危機をチャンスと考え乗り越えなければ日本の未来はない。

                                                                                    植  

       

                                                                         平成23年6月

分 散 と 集 中

 現在は分散と集中の時代と言われるが、集中が際立っている。企業では統合・合併が盛んに行われ、○○ホールデイングスの会社名が登場し、会社内では地方に展開した工場の閉鎖と統合がなされている。自治体では、多くの町村で平成の大合併が推進された。エネルギー分野でも発電所の大型化、集中化が推進され、中規模発電所は操業を停止した。これらは効率追求、経済性優先による一元的に管理しやすい大量生産・集中型の社会構築を目指したものといえる。
しかし、東日本大震災はこれらの考えの危うさを浮き彫りにした。1極集中により、工場が被災すると、サプライチェ−ンの寸断で操業停止に追い込まれた例が自動車産業をはじめ、多くの業界でみられた。
まさに、分散が再評価されようとしている。リスク管理の点から、効率追求だけでなく、総合的にメリットが得られる、小規模・分散のネットワーク型が浮上した。
 エネルギーにおいては、分散エネルギー源として、太陽光発電、小水力発電、燃料電池システム、バイオマスメタンガス発酵装置、太陽熱給湯システムなどの導入を積極的に図るべきと考える。私は1980年に家庭用の冷房・発電をする太陽熱利用エンジンの実証研究以来、自然エネルギーに注目し、現在は四国の中山間地の町で「エネルギー地産地消モデル実証実験」に産官学連携で協力している。 調査では、小水力発電で町の家庭用全消費電力の約30%が置き換え可能の結果がでた。種々の分散エネルギー源を積極的に導入し、エネルギー源個々がネットワ−クを組み、需給に合わせた制御で地域自給を可能とする。地域自治でも、分権を図り、魅力ある独自性を作り、住民が誇りを持てる地域作りをして行く。これからは分散と集中が互いに調和した先進的な環境配慮型社会が構築されることを願っている。

(宇野 浩)



                                平成23年5月

製 品 寿 命

 製品は丈夫で長持ちすると環境負荷が少なくなる。特に『住い』関連製品の寿命は10年単位から100年単位以上である。奈良には千年以上も経年した数多くの歴史的木造建造物も現存する。
これらは大切に保存したいという物心両面の力が働き適切な
修理保存がなされた文化遺産でもある。
『衣料』関連製品でも、数年から一生或いは数代に亘って大切に使われ続けるものがある。使い捨ては、環境負荷上必ずしも好ましくない。
『食料』関連製品は、農林水産物が主であり、収穫後直ちに、或いは月単位で消費される。加工食品には、消費期限や賞味期限はあるが、製品寿命の概念はない。製品に付帯するサービスや、サービス業には、取引上有効期限や提供期間はあるが寿命の考え方はない。
製品・サービスは、『価値÷価格』で評価され、この値が大きいと購入され消費される。価格競争が行き過ぎると、大量消費を生み、大量廃棄につながる場合がある。ここで、重要なことは、
「製品寿命が長いと価値が高くなる。」ということである。一旦購入したら、トコトン寿命まで使い切って、物を大切にするという心と文化の定着を図りたいものだ。

 商品供給者は、機能・心地よさ・外観・成分特性ばかりでなく、それが使用されて何時まで長持ちするか、使用条件に応じた信頼性検証をして、保証しなければならない。商品規格やカタログに、使用期限や耐用年数を明示して貰いたい。取扱説明書には、使用環境に応じた施工法・使用方法・修理法を簡明に表現することも大切であろう。
 商品購入者や使用者は、「製品はどれだけ長持ちするのか」を価値観に取り入れてほしい。
単にブランドや価格の安さのみで購入するのではなく、耐用年数を重視してはいかがだろうか。

                                 濱田 久直

 

2011.4.4

東日本大震災発生からおよそ1か月を経て     

3月11日に発生した東日本大震災で、東北、関東地方の太平洋沿岸部は地震と強大な津波により甚大な被害を受けました。不幸にして命を落とされた方々のご冥福と、被災された方々の生活環境が早く復興し安定すること、また一刻も早く東電福島第一原発の炉が鎮静化し、放射能漏れが止まることを心より祈念しています。今、日本は戦後、未曾有の危機に襲われておりますが、原発事故に対する東電、政府の対応は心ある国民から見れば残念ながら稚拙と言わざるをえません。もっと、的確に迅速に判断し行動することを願っています。また我々も国民として積極的に被災地や社会に対し何らかの貢献をするべきと思います。元気を出すため、友人から転送された「ちょっといい話」の一部を紹介します。

■外国人から見た日本:・国連から「日本は今まで世界中に援助してきた援助大国だ。今回は国連が全力で日本を援助する」には感動した。・BBCの報道「地球最悪の地震が世界で一番準備され訓練された国を襲った。その力や政府が試される。犠牲は出たが他の国でこんな正しい行動はとれないだろう。日本人は文化的に感情を抑制する力がある。」

     すごいぞ、日本人!:・日本人の良さを再認識「この地震が、きっかけになって、失

いかけていた日本人本来の良さが戻ってきた気がする。犯罪をする様子はなく助け合い、律儀、紳士的。普段は冷たい人が多いって個人的に感じているけど、多くの人が今回で絆を取り戻しつつあるように見えて、泣けてくる。」・献血の列「日本は強いです!大阪難波の献血施設は被災地の方のために超満員の順番まちでした。私欲の無い列を初めて見ました。感動しました。被災地の方々、全国でその辛さを受け止めています。諦めずに頑張って下さい。」    

皆さん「明るく、元気に、前向きに!」頑張りましょう。

藤原 敏雄

                                  2011.03.12

       日本のODA(環境破壊に結びつく?)

 この前、中国の奥地である揚子江上流の「三峡ダム」を見る機会がありました。さすが想像を絶する世界的な規模に圧倒されました。2009年に完成しましたが一部の工事は継して行なっています。

最終的には
240万kw(大型原発24基分に相当)になり、中国の電力の1割を賄えるとの事でした。
洪水防止にも役に立ち、CO
2削減にも貢献しているとの事、大変慶福の至りです。

 ただ、これで喜んで良いのでしょうか。色々マイナス面が噴出しだしているようです。

揚子江には「ヨウスコウカワイルカ」がすんでいます。ヨウスコウカワイルカはわずか100頭程度となり、急激に数を減らした原因はこのダムにあり、水位が低下している事が挙げられます。カワイルカはその他ガンジス川等で5種類が生息するのみですが、勿論イルカだけでなく、生態系への影響は計り知れなく、また、上流から運ばれる大量の土砂が治水上かえって危険を招くことにもなります(中国政府は「ダムは治水にも役立つ」と強弁しているが)。

 この中国のダムに日本の政府開発援助(ODA)が使われています。最近はやや減っているものの、日本は1990年台には世界一のODA大国でした。三峡ダムにもその資金が入っています。ネパールやインドネシア等でも、日本のダム開発への援助に住民から非難の声があがっています。日本のODAは依然として「道路」、「橋」、「ダム」等ゼネコンがらみが中心です。本当にこれで良いのでしょうか。

松本郁夫               

                                                                                 

2011.2.15

大学講座雑感

3つの大学で講座を担当していますが、大学は違っても共通して感じられる学生気質について述べてみます。
学生の個人評価は、テストの他、出席とレポートを勘案して決めます。私はレポートを重視しています.
レポートが一番その学生の努力を反映しているからです。何人もの学生が言葉使いまで同じ内容で書いてくるケースがあります。それは、インターネットで同じところを探し、そのまま丸写ししているからです。授業をきっちり聞いて、自分の文章で書いてないからです。学生気質は、思ったよりまじめな人が多いですが、課題を調べるのに、本を読んだり辞書をひいたりせず、インターネット頼りになっています。例えば、企業の循環型社会への取り組みについて環境報告書を入手してレポートするよう課題を出した場合、なかなか企業に環境報告書を要請せずインターネットで見てレポートを書きます。実際に企業へ環境報告書を要請した学生は、申し込んでから自宅に届くまでの日数が企業によって大きな差があることや何重にも包装して送ってくるところと、封筒にさえ入れずエコメールで送ってくるところを比較してレポートします。つまり、インターネットで読んだだけでは、わからないことが、現実に活動すると体得できることを教えています。
そして、就職先を調べるには、会社案内より環境報告書を読みなさいと話しています。会社案内は、先方に都合のいいことだけを載せているが、環境報告書は先方に不都合なことも情報公開するからだ、と教えています。等々、話はつきません。若者と話していると気持ちまで若返ります。
                                                                            (吉村 孝史)    

2011。1.吉日

若い人の環境観

 

今日の女子大生が感じ求める環境とはどんなものであるかは、将来の日本を育むものとして興味深いものである。 2010年秋、女子大生140名に環境に関するアンケートを行った。その結果、現在の環境が悪いと87%が感じており、良いとの答えは4%であった。その理由は地球温暖化66%(複数回答以下同)、大気汚染35%、廃棄物17%である。そして将来の環境は悪くなる66%と良くなる26%であり、良くなる理由はエコの意識・活動が盛んになり、ハイブリッドカー・植林などの技術、対策が進むからと答えている。買い物時の環境配慮では、容器包装で58%、食品で48%の者が配慮している。バイト先で感じた環境問題は塾・コンビニでの冷暖房、飲食店・ホテル・結婚式場での残飯残菜処理、美容院での薬剤の処理・水の量に疑問を感じている。また彼女らで就職先の環境パーフォーマンスの有無を意識する者は52%であった。そのうち20%の者は環境を意識する企業は働きやすいと答えている。

彼女らが求める環境とは@豊かな緑が78%、A爽やかな空気73%、B清らかな水辺46%、Cのびのび歩ける道や広場が27%、D静けさ19%である。

このような若い人たちに、次次世代の大和(日本)民族に対し、グローバル規格で環境本位制の人間育成をして頂きたいものと切に願いながら2011年をスタートした。

                                                      (瓦家 敏男)
                                                                                                                    

                                       2010.12.29                                             

 サービサイジング

 

サービサイジングとは、単なるモノの提供ではなく製品の機能を提供すること。顧客に付加価値をもたらしながら、製品製造における資源投入量の低減や使用量の適正化によって環境負荷を低減することを狙いとしている。欧州では、製品サービスシステム(PSS;product service system)と呼ばれる。【平成17年度版環境白書より引用】

具体的には、平成14年から開始されたパナソニック電工の『あかり安心サービス』が有名で、平成19年にはパナソニック・ライティング社の高槻工場で、使用済み蛍光灯専用ガラス溶融炉を経て新しい蛍光灯ガラス再生までに発展。他には富士フイルムの『写ルンです』が有名。

私(吉田)は、平成154月に関学の持続可能性社会研究会で「サービサイジングへの期待」と題した発表をするとともに、上記の白書掲載を環境庁に押し付けるなど、当時先行していた通産省主導のPSSを覆すために場外活動をしていました

結果、平成18年度からは経済産業省も「グリーン・サービサイジング(Green Servicizing)モデル事業」として施策化され、我が国は米国テラス研究所のサービサイジングが主流になって、今はその発展を楽しんでいます。

その一端で、自動車整備業での塗装工程について、その廃棄物を引き取る塗料販売でのサービサイジング導入を願いつつ、例えば≪塗装美化サービス≫のようなビジネスモデルを狙っています。

                   吉   宏 

                                  2010121 3

環境改善への道

今年は、奈良県では平城遷都1300年祭が名古屋では生物多様性条約第10回締約国会議(COP10 )が開かれました。また113日の文化の日には「NPO法人奈良環境カウンセラー協会設立10周年記念式」を無事迎える事ができて記念すべき歳となりました。来年2011年にあらたな歳を迎えるにあたり、国際的にはCOP16 でも足並みがそろっていない面が見られますが少しずつは合意の方向に進んできたようです。最近は雑誌を見ていても「循環型社会を生き抜く為のエコビジネス情報」や「低成長時代の暮らし方、価値観の見直し」などの特集が組まれており「シンプルでもっとスリムな暮らし方」などが話題をよんでいるようです。地球環境問題は大きくは政治の問題ですが、結局は「市民ひとりひとりが何を選択するのか」が決め手になります「しっかりとした価値観による選択」が地球の未来を変えてゆくようです。個人のライフスタイルや社会の仕組みを変えて将来の豊かな環境を構築してゆく事が重要です。今や森林や遊休農地が放置されている状況が増えていますが木材や食糧の自給率を少しでも引き上げるなど緊急に実行すべき課題から取り組んでゆきたいものです。

                        楠下孝雄

 

     1110

        奈良環境カウンセラー協会設立10周年を迎えて

 

NPO法人奈良環境カウンセラー協会は「環境カウンセラーズなら」として平成12113日に誕生しました。当時は数名のメンバーが学園前の喫茶店で何度も会合を持って話し合いました。その後、やはり事業活動を推進するにはNPO法人化が必要であるとの意向になり、慣れない手続きを重ねながら申請し平成16年9月に「奈良環境カウンセラー協会」としてNPO法人に登録されました。その後奈良県との協働事業として企業への診断と改善検討をベースに環境改善を継続して実施しております。また環境省主導の「エコアクション21」を通じて企業の環境経営の取り組み支援を行なうと共に市民対象として「なら環境市民大学」も開催しております。この11月3日設立10周年を迎え、無事10周年記念の会を開催する事が出来ました。環境省近畿地方環境事務所や奈良県、奈良市長、生駒市、奈良県環境県民フォーラム、地元商店街をはじめ各環境カウンセラー協会からも来賓をお招きし「新たな環境の時代に向けて」のさまざまなご祝辞を頂戴しました。今後も全国の環境カウンセラー協会を始めとした関係先とも幅広く連携を取りながら推進してまいります。 
                         
                          奈良環境カウンセラー協会
                               会員一同


201010月18日

  生物多様性会議の開幕

 

名古屋では生物多様性条約第10回締約国会議(COP10 )が開幕した。この会議では、生物多様性に関する2010年以降の世界目標の策定や国際枠組みの構築など、地球上の生きものの将来を左右する議論が行なわれます。熱帯林などから採取された植物から効能の高い薬品が製造されたりするケースも多いという。このような場合、原料を取りつくしてしまうと循環しなくなるのは当たり前、成長した部分だけを採取するなどのルールがないと壊滅してしまう。森林保全で循環型の森林が少しずつ整備されつつあるが、このような循環型の仕組みを幅広く展開してゆくのが重要である。微生物から生物、動物へと一連の連鎖としてつながっている生命体も、環境の変化で、あっという間に壊滅してしまう可能性がある。また最近は山が荒廃して食物が不足している関係か、熊が里山に進入してくるという事態が起こっている。そのような動物との共存も危うくなってきているようだ。人間も生物のひとつであり地球のおかげで活かされているという原点をやはり見詰める必要がありそうです。 今回の名古屋COP10 は生物多様性を長期的な観方で考えてみる良い機会かと思いますが、いかがでしょうか。

 (楠下孝雄)

   

2010910

  里山の風景から

 

暑い日が続いているものの朝晩はめっきり涼しくなり、いつの間にか虫の声が多く聞かれるようになった。日本では農山村の風景がどこに行っても見られるが、この風景は日本の原点ではないかと思う。先日外国の方から日本はほんとに美しいと言われた。また食べ物も種類が多くておいしい。今では里山の風土も壊れつつあり、限界集落と表現される地域が身近かでも増えつつある。これは持続的な生活様式を継続してきた基盤の崩壊につながる重大な状況だと思われる。つまり日本の原風景である里山や農山村を守って行く事が大変重要な時期にきており、各地域での生活基盤の再整備が大変重要になっている。これらの地域には古代から循環の思想が生活の中に息づいており、その中に様々な動植物や昆虫たちなどが人と共生していた。今本当の豊かさとは何かを問われているが一度じっくりと考えてみる必要がありそうである。幸い歴史的な経過から街や田園、里山、森林が比較的分散していて自然豊かな風土に恵まれている地域がまだまだ残っている。今こそ本当の「自然と技術が融合した循環型社会の構築」に向かって100年の計と実行が必要ではないでしょうか、

楠下孝雄 

 


                                                                                             2010年  8月11日

 猛暑に思う

 

立秋は過ぎたとは言え今年は大変な猛暑が続いた。気温が体温を超えると人の体温調整が利かなくなり、その結果熱中症が多発している。昔は30度を超えて暑さを感じたものだが、最近は地域によっては40度近い日もあるから驚きである。さて、東京をはじめ日本の都心部を見ると都市構造がコンクリートで固められており当然膨大な蓄熱容量が増大し続けており温暖化や異常気象の要因となっている。このヒートアイランド現象にどう対応するか、屋上緑化やソーラー利用なども推進されているが、日本は元来、木や水、植物をうまく取り入れて夏や冬の気候に合った生活様式を創ってきた。このあたりで長期的な取り組みとして適切な規模の街を各地域に分散させる事により自然と共生したデザインに再構築させてゆく必要があると思う。幸い奈良は歴史的な経過から街や田園、里山、森林が比較的分散していて自然豊かな風土に恵まれている。昔の知恵を見直して、技術だけに頼り過ぎずに「自然の風や木陰、風土に囲まれた街づくり」への転換を進めてゆきたいものです。ゴーヤや朝顔の「緑のカーテン」だけでも日射をさえぎりさわやかな風を贈ってくれます。

                                     (楠下孝雄)

 

2010713


  平城遷都1300年祭に思う

 

古都「なら」では「平城遷都1300年祭」が開催され、メイン会場である大極殿周辺は連日大変な行列が出来ています。さて、この平城京は藤原京から遷都されたが、工期が極めて短く、2年足らずで大規模な遷都が行なわれた模様。この背景には建物をリサイクル材としてうまく活用し工期の短縮を図ったという事であり、また大和川や佐保川を利用して船による輸送がフルに活用されたとも言われています。いずれにしても物資やエネルギーの限られた時代の「昔の人の知恵」には驚かされます。ところで1300年前の資源やエネルギーの使用状況はどのようなものだったのか? 空調はなし、自動車、家電製品はなし、ビルもなしという状況では、エネルギーは最少程度で済んだはず。便利に慣れた今こそ、1300年前の古の姿を振り返り、現代を見直し、将来を考える良いきっかけになればと思います。 奈良環境カウンセラー協会では6月の全国環境月間に、平城遷都1300年記念行事として「文化と環境の継承」というテーマで意見交流会を開催しましたが、今こそ中長期的に世界遺産のまちとしてふさわしいまちづくりを市民、行政、団体の協働で推進してゆきたいものです。

 

(楠下孝雄)   


 
  松本郁夫